明治安田生命J1リーグのFC東京でプレーしていた日本代表MF橋本拳人(28)は現在ロシア・プレミアリーグ(ロシア1部)のロストフに所属している。ただロシア軍のウクライナ侵攻により、橋本拳人をはじめロシア国内クラブ所属選手に今後フリーで移籍できるようになるかもしれない。2月28日、ベルギーメディア『VOETBAL』が伝えている。
ロシアはウクライナが欧州や北米の30カ国による軍事同盟である『北大西洋条約機構(NATO)』に加入する可能性があることを脅威と捉え、先月24日にウクライナ侵攻を開始。キエフやハリコフなど複数都市で戦闘が繰り広げられており、民間人も含めて多数の死傷者が出ている。
また、ロシアとウクライナの代表団は2月28日にベラルーシ国内で会談。交渉を継続することで合意に達したものの、ウクライナ側が即時停戦とロシア軍撤退を求めるのに対して、ロシア側はウクライナの非軍事化と中立化を要求。双方の主張に大きな隔たりがあり、依然として停戦実現にむけて楽観視できない状況となっている。
ロシアは今回のウクライナ侵攻で世界中から批判を浴びているが、国際サッカー連盟(FIFA)がロシアに対して国内での国際親善開催禁止や国名や国歌、国旗の使用禁止という処分を科すなどサッカー界にも影響が出ている。
そんなロシア国内では橋本拳人やゼニト・サンクトペテルブルク所属のブラジル代表FWマウコム(25)、クロアチア代表DFデヤン・ロブレン(32)、スパルタク・モスクワ所属のナイジェリア代表MFビクター・モーゼス(31)など、200名近くの外国人選手がプレーしている。
その中、国際プロサッカー選手会(FIFPro)の理事を務めるルイ・エヴァラード氏は「(ロシアとウクライナの)戦争激化は、ロシアのクラブに補償金を支払うことなく契約を打ち切ることができる理由になると考えている。我々はそうするようにFIFAに要請しており、現在議論を行っているところだ。選手には出国の自由を与えるべきだ」とコメント。ロシア国内クラブ所属の外国人選手に対してシーズン途中での契約解除を無条件に認める可能性があることを明かした。
なお、スウェーデンメディア『fotbollskanalen』は先月24日、橋本拳人のチームメイトであるDFデニス・ハジカドゥニッチ(23)が戦争勃発によりロストフ退団を望んでいると報道。同選手の代理人は「安全が第一でなければならない。明らかに(誰にとっても)嫌なことが今起きている。今のままだとデニスは(ロストフに)留まれない。もちろん我々は彼とマメに連絡を取っている」と語っている。
ロシアとウクライナの動向や今後のFIFAの判断に左右される形ではあるものの、橋本拳人も2021/22シーズン途中でロシアを離れるという決断を下すかもしれない。
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