今後の懸念点
横浜戦が参考にならない可能性も…
しかしながら懸念点もある。横浜との戦いは本当に札幌の成長によるものだろうか?確かに札幌は素晴らしい試合運びをしたのだが、横浜のコンディションが大きく関係した可能性もある。
この開幕戦において、横浜がどんな試合をしたいのか、どのように札幌を崩したいのかはあまり伝わって来なかった。特に前半は横浜の選手たちがハイプレスをかけるタイミングに大きく混乱したために、札幌に多くのゴールチャンスが生まれていた。
従って札幌が3月6日に控える名古屋クランパス戦は、重要な一戦となる。この開幕戦のスタイルが通用するかどうかがわかるはずだ。
次戦相手となる名古屋は、2020シーズンとほぼ同じラインアップで第1節にアビスパ福岡と対戦(2-1で勝利)し、やりたいことがはっきり伝わる安定したサッカーを見せた。札幌が流れに乗るには、その名古屋をどう倒すかで実力を証明しなければならない。
決めきれない場面の多さ
横浜戦では5-1で勝利した札幌ではあるが、前半には決めきれなかったゴールチャンスも多く見られた。
チャンスに対する決定力の不安定さは懸念点の1つと言えよう。こうしたチャンスをしっかりものにしてこそ、夢に見ているJリーグ優勝、またはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場の実現に近づけるだろう。
荒野拓馬のいない中盤
最も気になる懸念点は、左腓骨骨折及び左足首靱帯損傷の大怪我でしばらくの間ピッチを離れざるをえない荒野拓馬のいない中盤だ。
横浜戦では相手の戦い方がはっきりしていなかったこともあり同選手の不在があまり目立たなかったが、札幌がカウンターを許した場面はいくつか見られた。
札幌の切り替えは速かったが、荒野なら相手陣地にてファールでライバルを止め、チームメートに守備を整えるための時間を与えるはずだ。
ラフなプレーも多い荒野だが、苦しい場面では彼の運動量とフィジカルがとても心強いものである。
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