著者:スティーブン・デニス(フットボール・トライブ・インドネシア)
最後の2つのアジア代表、日本と中国はオランダ、イタリアにそれぞれ敗れた。オーストラリア代表は前日に行われたノルウェー戦に敗れている。アジアを代表するチームが、FIFA女子ワールドカップフランス2019の準々決勝に進出することはなかった。
90年代の大国である中国はヨーロッパのダークホースであるイタリアに衝撃を受けた。イタリアは開始15分にバレンティナ・ジャティンチのゴールで先制。中国もイタリアのゴールに脅威を与えたが、50分にアウロラ・ガッリがゴールを決めたことにより、状況はさらに困難なものとなった。
2011年王者の日本は17分にPKを献上。リーケ・マーテンズがこれを沈め、先制を許した。しかし、長谷川唯が前半終了間際に同点弾を挙げたことで、生き残りに可能性を残した。その後も攻勢を強める日本。しかし、試合終了間際に再びPKを献上。延長に進むかと思われた試合は、リーケ・マーテンズが再びPKを沈めたことで、予想外の結末となった。
これは女子W杯史上初となる、準々決勝にアジアの代表がいないという事実を生み出した。1991年に始まって以降、アジアを代表するチームは少なくとも1つは準々決勝に駒を進めていた。カナダでの2015年大会も、参加国が24チームに拡大されたが3チームが準々決勝に駒を進めた。
今年のW杯はオランダやイタリアのようなヨーロッパの国々にとって歴史となるだろう。彼女たちは初めて準々決勝に進出する。準々決勝を戦う8チームの内、7チームがヨーロッパの代表だ。例外として、絶対王者のアメリカが残りの1枠となっている。これにより、リヨンで行われる決勝でヨーロッパのチームがプレーすることが確実となった。女子サッカー界のパワーバランスは、確実変化している。
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