トッテナム チャンピオンズリーグ

ホームで痛恨の0-1敗戦。トッテナムがアヤックスに敗れた3つの要因

チャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグ、トッテナム・ホットスパー対アヤックス・アムステルダムの一戦が日本時間1日に行われた。トッテナムは前半15分にドニー・ファン・デ・ベークに得点を許すと、その後スコアが動かず。ホームで痛恨の敗戦喫している。今回は、この試合でトッテナムの敗戦に直結した3つの要因をご紹介する。


深刻な人手不足

新スタジアム建設が大幅に遅れたこともあり、昨夏、今冬と補強を行うことができなかったトッテナム。それでもリーグ戦ではCL圏内に位置し、CLも準決勝まで進むことができた。しかし、CL準決勝で補強してこなかったツケが回ってきた。ハリー・ケイン、ハリー・ウィンクス、セルジュ・オーリエを負傷で欠き、ソン・フンミンは出場停止。攻撃の部分でバリエーションに欠くトッテナムにとって、2人のエースを失うことは致命的な問題だ。彼らはアヤックスの運動量が落ち、付け入る隙が生まれた後半にすら得点を生み出すことができなかった。


今シーズン9ゴール、16アシストの活躍を見せるエリクセン。トッテナムにとって最も欠かせない選手の1人だ。しかし、古巣との一戦では彼らしくないプレーが連発した。パスの精度を欠き、成功率は66.7%を記録。CL平均が80.1%なので、どれだけ低水準だったかがわかるだろう。精度を欠いていたからか、ビルドアップの局面では焦りが見え、プレースキックの質も普段の彼からは想像できないレベルだった。

エリクセンのパフォーマンスが悪かった要因はいくつか考えられる。1つは勤続疲労によるもの。今シーズンは46試合に出場しており、リーグ戦での立場を考えてもタフな試合が続いている。もう1つは中盤の構成。アヤックス戦ではウィンクス、エリック・ダイアー、ムサ・シソコ(後半から出場)といった中盤をコントロールしできる選手がいなかった。それはエリクセンにも大きく影響し、彼がアヤックスディフェンス陣に影響を与える十分な時間もスペースもなかった。


デレ・アリの魔法はかからず

前半のアヤックスは彼ららしい魅力的な戦い方でトッテナムを圧倒していた。しかし、後半は失速しトッテナムに反撃のスキを与えていたといえるだろう。それでもトッテナムは得点を奪うことができなかった。マウリシオ・ポチェッティーノ監督は多くの主力選手を欠くこの試合で3-5-2のシステムを採用。アリを3人のセントラルの内の1人として起用した。ただ、前線の選手とポジションを入れ替えながら、比較的高い位置で輝くアリにとっては難しいプレーが続いたかもしれない。

フェルナンド・ジョレンテはケインではないし、ルーカス・モウラをサイドで孤立させたくないことも理解できる。ただ、アリはストライカーの背後にいることで輝く選手だ。アヤックス戦のアリはイングランド代表でプレーしているようだった。前線とのリンクは途切れ、彼の魔法がトッテナムサポーターを魅了することもなかった。

名前:菊池大将
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