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【特別インタビュー】皇子がオーナーを務めるフットサルクラブ。パハン・レンジャーズの壮大な野心

 マレーシアのパハン州はマレー半島最大の美しい自然の宝庫として知られ、中央には半島で最も高いタハン山が誇り高くそびえ立つ。そこにあるタハン山同様に誇り高く愛国心の強い人々の精神が、マレーシアで最も注目されるサッカーチームを生み出すことに貢献してきた。
 
 パハンFAは、マレーシアカップで4度(1983年、1992年、2013年、2014年)FAカップで3度(2018年、2014年、2006年)の栄冠を勝ち取ってきた歴史を持つ。そして同州のスポーツシーンの強さは緑の芝生のみならず、地元リーグを先導する大胆不敵なフットサルチームのハードコートまで広がった。
 
 パハン・レンジャーズとして知られるこの有望フットサルチームは、パハンFAと同じ旗を掲げ、選手達も同じビジョン「勝つために、記憶に残るために」の下に活動する。25人中18人が地元パハン州の出身であり、賞賛されるべきことに若手選手が22人。3人のシニア選手がまるでタハン山のようにチームの支柱となっている。
 
トゥンク・ファハド皇子 写真提供:フットボール・トライブ・マレーシア
 このチームの構築に尽力したのが、トゥンク・ファハド(皇子)だ。彼の野心を追求する熱意によって、パハン・レンジャーズはこれから始まるマレーシア・フットサルプレミアリーグ(MPFL)において最も強い参戦クラブの1つとなった。
 
「賢いサッカー選手、試合をリードできる選手が大好きです」と、トゥンク・ファハドは語った。
 
 彼によると、サッカー選手に必要なメンタルスキルは、ボールコントロール時だけでなく次に起こることを予測する時にも重要であり、このスキルを身につけることが勝利への前進に繋がるという。
 
 マレーシアのフットサルリーグが世界の注目を集める日が来るのを見るという、壮大なビジョンとミッションを持って、この発展支援に尽力しているトゥンク・ファハド。その果てしない決意と精神が、実際にパハン・レンジャーズを強くしてきた。
 
「以前はトゥンク・エイディ(皇子)がパハン州でフットサルチームを持ち、地元リーグでプレーしていました。私は2016年に学業を終えてパハン州に戻ってきたのですが、彼がフットサルチーム設立のアイディアを持ちかけてくれたんです
 
「私たちは自分自身に挑戦しトップに到達しなければならない、と彼は言いました。そして今はMPFLとして知られている、当時のナショナル・フットサル・リーグ(LFK)に入ることを提案してしてくれたのです」
 
「それから彼と一緒にクアンタン・レンジャーズ(2016)という名前のフットサルチームとして旅を始めました」
 
 トゥンク・ファハドは現在のパハン・レンジャーズの長期プランも教えてくれた。
 
「まず今年MFPLで優勝し、毎シーズン優勝を目指し、AFCフットサル選手権の出場権を得て、そこでも勝ちたいです」
 
「それがパハン・レンジャーズに対する私たちの夢ですね」と加えた。
 
 この挑戦が広大で困難であることを認めつつ、クラブがそこに立ち向かうことを彼は望んでいる。
 
「LFKの初年度には予選を通れなかったのですが、ブルネイのフットサルリーグに招待されました。これは、選手たちにとってより高いレベルでの競争を経験できるプラットフォームになりました。そのような機会を提供できる努力をしてきています」

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名前:菊池大将
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