22日に行われたキリンチャレンジカップ、日本代表対コロンビア代表。日本代表は前半こそコロンビアを抑え込んだものの、後半はそれを継続できずに1-0で敗戦を喫した。今回は、この試合で見えてきた4つのポイントをご紹介する。
中央を締め切った日本
4-4-2の守備ブロックを組んでコロンビアに立ちはだかった日本。要因は様々だが、コロンビアが日本の守備ブロックの中央を使って、前線にパスを運べたのは数える程度。ハメス・ロドリゲスが右サイドに流れ、変化を生もうとしていたが、日本のブロックがそれに振り回されなかったことは大きい。
コロンビアの両サイドはルイス・ムリエルとセバスティアン・ビジャの2選手。ムリエルは経験はあるものの、基本的には前線中央でプレーする選手。サイドバックとのポジションの取り方にスムーズさはなく、室屋成としては、対応が楽だった。また、守備時にも前線に張り気味で攻め残るので、日本はサイドで優位性をもつことができた。また、右サイドのビジャも爆発的なスピードはあるものの、器用さやポジショニングの面で苦戦。サイドバックも佐々木翔の動きを制限する動きができなかったため、ハメスがサイドに流れても脅威にはならなかった。これらが、前半に大きく崩されることのなかった要因の1つだ。
降りてくるファルカオ
中央を閉められサイドも停滞したことにより、2ボランチ、2CBが展開に困ったコロンビア。ファルカオは局面を打開するために、受けに降りるという選択を取ったが、これが日本にとってはありがたいものだった。よほど瞬間的なプレーがない限り、日本がマークを外すことはなく、ファルカオのゴール前での怖さも減少。CBとしては、裏のスペースに必要以上に気を遣う必要がなくなった。ドゥバン・サパタが投入されて以降のほうが、よっぽど怖さが増している。ファルカオレベルの選手であっても、怖さがなくなれば脅威にはならないということだ。
コロンビアは人の配置を変えたものの…
コロンビアはウィルマル・バリオスが最終ラインに吸収されることで、日本の2列目を無効化、もしくはズラす攻撃を仕掛けようとしたが、やはりネックになったのがサイドバックのポジション取り。勇気をもって高い位置を取りに行かないので、バリオスが下がった分だけ、CBのプレーエリアが減少。日本の人の配置を制限できず、自分たちを窮屈にする自滅のようなプレーだった。
コパ・アメリカに向けて
前後半で様変わりしたコロンビア。ベンチに世界的なタレントを置くことのできるチームとの対戦になると、1人の選手の投入で試合の流れを大きく変えられてしまう。コロンビアであれば、ドゥバン・サパタの投入と配置の変化がその引き金となった。2トップになったことにより、パスコースが増加。サパタがいることで日本のCBは裏のスペースに気を遣わされる。ファルカオの降りるプレーにも怖さが増加。縦に早くなったことで、サイドのムリエルが息を吹き返す。たった1人の選手がピッチに入るだけで、これだけ(これ以上)の変化が試合に起こる。コパ・アメリカでレベルの高い国々と戦う日本は、ベンチメンバーを含めて、特徴と考えられる試合の運び方(運ばれ方)を頭に入れて戦う必要があるだろう。いきなり得点を量産できるストライカーが現れることなんてない。現状呼べる選手たちで、勝ちを引き寄せる戦い方を目指してほしい。
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