アジアカップ 日本代表

日本代表対サウジアラビア、ポイントとなった4つのこと

AFCアジアカップ決勝トーナメント1回戦。サウジアラビアとの戦いを1-0の勝利で終えた日本代表。自分たちが意図しない展開の中で勝利を収めることができたのは、今後の日本代表にとって大きな経験値となっただろう。今回はこの試合の4つのポイントをご紹介する。


ある程度効果のあったプレッシング

南野拓実と武藤嘉紀がサウジアラビアの最終ラインにプレッシャーをかけて、ビルドアップの1つめのパスをサイドに誘導することに成功した日本代表。このプレッシャーに合わせて、最終ラインや2列目も連動して動けていたことでサウジアラビアの攻撃に対して中央で位置的、数的に不利を作られることはほとんどなかった。DFが体を張るシーンが多かったのも、体を張れる位置にポジションを取れていたから。ただ、後半に入るまで、ボールを取ることに比重を置くのか置かないのかという点に明確さがなかったことは問題だ。重心を後ろに置くのか、高めに置くのかしっかりとチームとして方針を決めたほうが良い。


セットプレー

セットプレー、特にCKに明確に弱点を抱えていたサウジアラビアから1つ目のCKをゴールにつなげられたことは大きい。サウジアラビアはここまで比較的身長の高い選手にゾーンを埋めさせ、その他の選手が危険な選手にマンマークで対応していた。しかし、この試合では長身の選手が吉田麻也や冨安健洋にマンマークで対応。ただ、この変化に慣れる時間がなかったのか、マークを完全に外した。ゾーンを埋めていた選手がいるだけになっていたことも、このゴールが生まれる1つの要因となった。


カウンター時のプレー精度

この試合で最も課題として残ったともいえるカウンター時の精度。ポジティブトランジション(守から攻への切り替え)の早さから、広大なスペースを使った攻撃を見せようとしたが、そこの精度を欠いた。60分のように、前に走り出す人数をある程度増やしてカウンターを行うことでパスの出し手に余裕が生まれ、シュートに繋げやすい形を作り出せる可能性が高くなるだろう。また、堂安律に中央に位置を取らせた点もよかった。この試合のような展開で時間を作れる選手は重要だ。カウンターを成立させることができないと、長距離のスプリントを強いられてしまう。


後半の修正

ハーフタイム後の日本代表には一貫性が生まれた。これが好転するかどうかは別として、チームとしての方向性が定まったことは大きい。前半よりもボールの取りどころを高めに設定して、ボールの支配率を高めようとする意図だったのだろう。結果としてうまくはいかなかったが、試合の中で前半のやりかたに少しづつ戻せていたのでチームとしての良い経験値になっただろう。ただ、後半にゾーンなのか人につくのか曖昧になる時間があり、その点は修正が必要だろう。


名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

筆者記事一覧