マネーゲームの様相を強めている現在のサッカー界において、中小クラブが世界的なクラブを相手に戦い、勝利を収めることは非常に難易度が高い。Jリーグなど特殊なリーグを除けば、主要なリーグの優勝争いに参加するクラブはある程度固まっている。しかし、中にはそれらのビッグクラブを打ち破り、メジャータイトルを獲得した中小クラブも存在する。今回は、中小クラブに奇跡をもたらした3人の名将をご紹介する。
ジョゼ・モウリーニョ
2000/2001シーズンにベンフィカの監督に抜擢されたモウリーニョ。しかし、クラブ内のゴタゴタもあり、シーズン途中に辞職。その後ウニオン・レイリアの監督に就任し、リーグ4位に導いた。その結果を評価され、2002年1月に不振にあえぐポルトに引き抜かれた。
ポルトの監督に就任したモウリーニョは残りの15試合で11勝2分2敗の好成績で終え、3位に導くと、翌年にはリーグ戦、カップ戦、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)の3冠を達成。世界的に注目を浴びる監督の1人となった。
更に翌シーズンにはリーグ戦を連覇。カップ戦こそ決勝で敗れたものの、チャンピオンズリーグ決勝でモナコに3-0で快勝。自身の評価をより一層高いものにした。
ディエゴ・シメオネ
厳密に言えば、アトレティコ・マドリードは中小クラブではないかもしれない。ただ、バルセロナとレアル・マドリードが君臨するラ・リーガの舞台で、何人の監督がアトレティコをリーグ優勝に導けるだろうか。非常に少ないはずだ。
シメオネはディエゴ・ゴディン、ジョアン・ミランダ、フェリペ・ルイス、ファンフラン、ガビと言った選手たちを中心に強固な守備のコアを形成。そのうえで、アントワーヌ・グリーズマンやジエゴ・コスタと言った特別な才能を持った選手たちを躍動させた。
その結果、2014年のアトレティコは38試合で勝ち点90を獲得。わずか4敗でシーズンを終えている。また、チャンピオンズリーグでもミランやバルセロナ、チェルシーと言ったクラブを退け決勝に進出している。
クラウディオ・ラニエリ
チェルシー、ユベントス、ローマ、インテルなど数多くのビッグクラブで指揮を執っていたラニエリだが、そういったクラブで主要なタイトルを獲得することはできなかった。そのため、レスター・シティでプレミアリーグを制したという事実が、間違いなく彼の監督としてのキャリアの中で最高の功績となるだろう。
ラニエリはクラブスカウトの功績もあるが、ダニー・ドリンクウォーター、カスパー・シュマイケル、クリスティアン・フクスといった堅実な選手、アンディ・キング、岡崎慎司といった自己犠牲を厭わない選手、ジェイミー・バーディ、リヤド・マフレズ、エンゴロ・カンテといった特別な才能を持つ選手を巧みに組み合わせた。
その結果が2位アーセナルに勝ち点10差をつけた圧倒的な優勝だ。このシーズンのレスターはたったの3敗しかしていない。戦前の予想では降格したニューカッスル・ユナイテッドのような位置にいてもおかしくなかったのにだ。
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