大会:セリエA
カード:ローマvsラツィオ
スコア:3-1
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko)
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審
マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ロレンツォ・ペッレグリーニ
貴重な先制弾だけでなく、動き回って2ライン間でボールを引き出しサイドに展開。攻撃の重要なポイントとなった。3点目となるセットプレーのボールの質も非常に高かった。退いたハビエル・パストーレとは対照的な活躍。
ザ・ハード・ワーカー(THW):ルーカス・レイバ
気の利いたポジショニングで、前半のラツィオが自分たちのペースで試合を運べる大きな要因となった。縦関係のダニエレ・デ・ロッシとスティーブン・エンゾンジに苦しめられたが、システム上の都合であり、レイバが単独でどうこうできる問題ではなかった。
モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):ルイス・アルベルト
ほとんど何もできずにピッチを去った。3列目と全線をしっかりと繋ぎたかったが、ローマの2ボランチに完全に消された。セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチが苛立つ気持ちもわかる。
ローマの攻撃vsラツィオの守備
序盤こそダービーらしいインテンシティの高いカオスな展開となったが、以降はエンゾンジとデ・ロッシが縦関係を作って、エル・シャーラウィが中央に絞りポイントを作って逆サイドへの展開や、コラロフのオーバーラップなどで厚みのある攻撃を作ったローマ。対するラツィオはエンゾンジとデ・ロッシをケアしながら、ロスト後のプレスの正確さとスピードでペースを握り始める。
30分頃からエンゾンジが高い位置を取り始めると、ラツィオのマークがずれ始めエディン・ジェコへボールが入りやすくなる。そこを起点にサイドへ展開し、中央のジェコをおとりにしてエル・シャーラウィを使うなど、ローマが主導権を握り返す。前半終了間際にはペッレグリーニのゴールでローマが先制に成功。
後半も同じようにプレスのずれからジェコへ楔のボールを入れ、攻撃を展開。ペッレグリーニが頻繁にいろいろなところに顔を出すことで、的を絞らせなかった。ラツィオもバデリを投入し、2ボランチ気味に縦関係を作ったが、ロスト後のプレスの精度は上がらず。ペッレグリーニを消すこともできなかった。
ラツィオの攻撃vsローマの守備
3+1のビルドアップを基本に、ハイプレスに遭った際にはサビッチへのロングボールでビルドアップ。ローマも距離感を近くしてボールを絡めとるも、ラツィオのロスト後のプレスが早く、中々ペースをつかめなかった。また、DFライン裏へのロングボールにより、ローマのライン間の距離が徐々に空いてくる。アルベルトの調子が良ければ危ない場面は多かった。
後半はホアキン・コレアの投入もあり、前半よりは2ライン間にボールが入るように。1点を返した場面も、ホアキンがうまくボールを引き出したところから生まれた。ローマは中央を絞るディフェンスでラツィオを迎え撃つ。ラツィオは両ワイドが中々幅をとれず、中盤でボールをさらわれる場面が目立ち始め、セットプレーから2失点目。最後もセットプレーから3点目を奪われた。
ローマ監督:エウゼビオ・ディ・フランチェスコ
パストーレの交代は結果としてこの試合を決定づけるものとなった。前半こそラツィオにペースを握られたが、中盤の構成を工夫しサイドで主導権を得たことで試合を通して安定して戦うことが出来たといえるだろう。自身の去就も含めて大きな1勝となった。
ラツィオ監督:シモーネ・インザーギ
前半はしっかり研究した結果がハマった展開になったが、2ボランチの攻略とペッレグリーニに苦しめられた。アルベルトが2ボランチに消されることで攻撃は機能不全に陥り、ローマの2ボランチが縦関係で入れ替わることで、プレスのタイミングも曖昧にさせられた。サイドのオーガナイズの変更など、出来ることはあったように見えた。
主審:ジャンルカ・ロッキ
熱くなることで有名なローマ・ダービーをイエローカード3枚で終わらせたことは評価できるだろう。選手がファイトする場面も少なく、スムーズに試合を進行させた。
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