資本が中国系からアメリカへと移り、様変わりを始めているミラン。レオナルドを招聘し、マルディーニなどクラブOBをチームの顔として据えることで、イメージは向上。フィナンシャル・フェア・プレーの処罰対象となりながらも、今夏は効果的な補強ができた。セリエA第3節ではローマ相手に内容で勝った勝ち点3を奪取している。今回は、そんなミランがELで優勝できる5つの理由をご紹介する。
昨季にはない戦術的な多様性とクオリティ
今シーズンのミランは今夏に獲得した選手の力と、昨シーズンまで築いてきた基礎的な部分を使って戦術的な多様性を獲得することになるだろう。ティエムエ・バカヨコの存在はフランク・ケシエと共に、ミランに2ボランチという選択肢を与えた。また、ローマ戦の終盤のようにゴンサロ・イグアインとパトリック・クトローネの2トップも可能になるはずだ。マッティア・カルダラとディエゴ・ラクサールは3-5-2という選択肢を与えてくれるだろう。昨シーズンの後半から4-3-3のクオリティは向上している。今シーズンは新たなシステムもオプションとして有することができるはずだ。
頼れるバックアッパー
今夏に獲得したディエゴ・ラクサールとサム・カスティジェホは、すでにその能力を示し始めている。ラクサールはリカルド・ロドリゲスにないスピードを提供。場合によっては左のウィングのように振舞うこともできる。カスティジェホは一定以上のクオリティに加えて、戦うことのできる選手でガットゥーゾもそこを評価している。彼ら2人の存在は、ケシエの休息やR・ロドリゲスの休息に一役買ってくれるはずだ。また、ティエムエ・バカヨコとマッティア・カルダラも現在4-3-3に適応するためにトレーニング中。2人の能力を考えれば適応にはそれほど時間がかからないだろう。カルダラに関しては、次戦でのデビューが期待されている。ぺぺ・レイナの存在も大きい。前ナポリ守護神と、イタリア代表の守護神をリーグ戦とカップ戦でGKを使い分けることができるのは贅沢だ。
ゴンサロ・イグアイン
ミランが最も手に入れたかったのは計算できるストライカーで、それがゴンサロ・イグアインだ。ユベントスではマイナスとされていた降りてきて受けに来るプレーもミランでは抜群にハマっている。ナポリ戦こそルーカス・ビリアの不調やハカン・チャルハノールの不在で、シュートチャンスは極端に少なかった。しかし、ローマ戦では見違える姿に。クトローネへのアシストも記録し、残すは自身がゴールを決めるだけだ。大きいのはルーカス・ビリアが代表を引退しただけではなく、イグアインが代表に呼ばれていないこと。ミランにとっては好都合でしかないだろう。
修正の早さ
ナポリ戦でのミランにはいくつもの問題があった。その結果が後半に3点を奪われての逆転負けだろう。だが、ガットゥーゾの修正は非常に早かった。次節のローマ戦では特にルーカス・ビリアは見違えるプレーを見せ、ダビデ・カラブリアのポジショニングも修正された。報道によれば、ガットゥーゾはナポリ戦後初の全体練習で、ナポリ戦でのミスを列挙。1つ1つ修正していったようだ。これまでのミランにはなかったことの1つだろう(あったとは思うが、ここまで迅速に解決することはなかった)。戦いながら強くなるクラブの仲間入りを果たすことができるかもしれない。
サポーターとの関係改善
これも1つの大きな要因になるだろう。ミランのフロントに復帰したレオナルドは、過去にインテルの監督に就任したことでサポーターグループを中心にバッシングを受けていた。しかし、効果的な補強やマルディーニの招聘など、自らの手腕でそのバッシングを押しのけることに成功した。事実、クルヴァ・スッドのホームページのトップの掲げられていた批判的なバナーは取り外されている。チームが成功収めるための大きなカギとなるサポーター。彼らとの関係性は、これまでお世辞にも良いとは言えなかった。しかし、資本が入れ替わってから着実に関係は改善。サポーターからも文字通り強力なサポートを得ることができるだろう。
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