開幕戦は延期となったものの、今シーズンのミランからも目が離せない。レオナルド・ボヌッチとマッティア・カルダーラの大型トレードに絡め、ゴンサロ・イグアインも獲得。この移籍で得をしたのは確実にミランだ。スポーツディレクターに就任したレオナルド氏と戦略開発ディレクターを務めるパオロ・マルディーニ氏は、さっそくその手腕を発揮。ティエムエ・バカヨコ、サム・カスティジェホ、ディエゴ・ラクサールなど、実力がありながらも若くて活きのいい選手をそろえた。
心配が残るのはアタランタとサンプドリア。昨シーズンセリエAの“曲者”として大いに暴れまわった両クラブは、例年通り中心メンバーがビッグクラブに引き抜かれた。アタランタはカルダーラ、レオナルド・スピナッツォーラ、クリスタンテがクラブを去り、サンプドリアはルーカス・トレイラ、ドゥバン・ザパタ、イバン・ストリニッチ、エミリアーノ・ビビアーノが新天地へと旅立った。アタランタは現在ヨーロッパリーグの予選を戦っており、これを勝ち抜けば2シーズン続けてELとの二足の草鞋を履いてシーズンを過ごすことになる。両クラブ監督にとって腕の見せ所となりそうだ。
昇格組に目をやると、エンポリ、フロジノーネ、そしてパルマが久しぶりにセリエAの舞台に戻ってきた。セリエB最終節でエマヌエレ・カライオが相手クラブの選手に八百長を持ちかけた容疑で、勝ち点マイナス5からのスタートの処分を一度は受けたパルマ。しかしクラブ側の抗議によってその判断は覆り、罰金処分のみで新シーズンを迎えることとなった。中田英寿氏もプレーしたこのクラブは、セリエAで再び躍動することができるだろうか。
ここまで各クラブの状況を書き連ねてきたが、なんと言っても注目はユベントスだろう。昨シーズン前人未踏のリーグ7連覇を達成したクラブは、オフにクリステァーノ・ロナウドを獲得。ミランからボヌッチも取り戻し、リーグ8連覇だけでなく、悲願のCL優勝を虎視眈々と狙っている。戦力的には他クラブに圧倒的な差をつけているだけに、もしかすると無敗優勝する可能性さえあるかもしれない。このユベントスを最初に止めるクラブはどこなのだろうか。
競争力を取り戻しつつあるセリエA。4クラブがCLに出場する今シーズンは、ヨーロッパの舞台でもイタリア勢の活躍が見られるかもしれない。
著者:ペペ土屋
フットボール・トライブ・ジャパン編集長。ベティコ。
Twitter:@PPDOLPHINS
コメントランキング