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ユニフォーム販売で移籍金をカバーできる、は嘘?バカ売れしてもクラブは儲からない理由

先月ユベントスに移籍したクリスティアーノ・ロナウド 写真提供:Juventus.com

 例えばロナウドの場合、もともとユニフォームを購入するつもりだったファンがキエッリーニやディバラの代わりにロナウドを選択しても、売り上げは伸びないというわけだ。

 もちろんロナウドほどのビッグスターであればユベントスのユニフォームを初めて購入したファンも多いだろうが、それでも上述の理由でクラブに回る利益は少ない。

 たしかに選手の出身地などでは、新規の購入者の増加が見込める。例えば日本人選手を獲得すれば日本でのユニフォーム販売数は伸びるだろう。

 欧州クラブが日本人をはじめとするアジア人を獲得すると、しばしば現地のファンからは「ユニフォームの販売目当てだ」「これでユニフォームが売れる」といった皮肉な意見が聞かれる。

 しかしユニフォームの販売によりクラブが莫大な利益を上げることが不可能な以上、その指摘は的外れということになる。

 ユニフォームの販売増加で利益を得るのは、クラブよりもメーカーの側だ。アディダスはマンチェスター・ユナイテッドとの巨額の契約により、10年間で15億ポンド(約2170億円)を稼ぐことを予測しているという。

 こうした数字を見ると、アディダスが近年小規模クラブとの契約から撤退しビッグクラブ重視の経営戦略を取っていることも納得がいく。

 結局のところ、ユベントスがC・ロナウド獲得に要した費用を回収するにはユニフォームの売り上げよりも、彼のピッチ上での活躍の方がはるかに重要になるだろう。

著者:マリオ・カワタ

ハンガリー生まれドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC

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