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馬渕明子理事長(左)とペドロ・マラビアダイレクター(左) 写真提供:Getty Images
スペインのラ・リーガと日本女子サッカーリーグが、20日都内で会見を行い、連携協定を締結することを発表した。
スペインLaLigaは女子サッカーにも継続的な支援を行っており、スペインの女子サッカーのレベルは上がってきている。それを証明するように、現在では、LaLigaを構成する42クラブ中31クラブが女子チームを抱えている。さらにスペイン女子サッカートップリーグのLaLiga Iberdrola(ラ・リーガ・イベルドローラ)の試合も10ヶ所の大きなスタジアムでも開催されるようになった。
会見には、馬渕明子日本女子サッカーリーグ理事長、ラ・リーガ・フェメニーナのダイレクターであるペドロ・マラビア氏が登壇。
マラビア氏は連携するに至った経緯について「なでしこから連携を結びたいと言われた際に大変名誉でした。日本の社会に対して非常に敬意を持っていますから、非常にうれしかったです」と挨拶の後に続けた。
マラビア氏は女子サッカーが持つポテンシャルについて強調し「女子サッカーはスペインサッカー協会の管轄下にありましたが、男子に注目しすぎたのではないかということで、ハビエル・テバス会長の下、LaLigaで女子サッカーにも力を入れるようになりました。ここ3年で女子サッカーはダイナミックに発展しました。女子サッカーには大きな可能性があると思っています」と述べ「女子サッカーをグローバルな舞台に広めていくというのは非常に重要だと思います」と続けた。
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高倉麻子監督(左)、ペドロ・マラビアダイレクター(中央)、山根恵里奈(右) 写真提供:Getty Images
また、日本女子代表の高倉麻子監督と、レアル・ベティス・フェミナスに所属する山根恵里奈もスピーチに登場。
高倉監督は「スペインのようなサッカー王国と連携できることは個人的にうれしいです」と語った。さらに自国のレベルアップにはリーグの発展が重要であることを強調し「先ほどの話で42チーム中31チームが女子チームを持っていることにショックを受けました」とスペイン女子サッカーの発展に驚きを隠せない様子だった。
山根はリーグの違いについて聞かれ「日本で学んだことを活かしてスペインで活躍することが重要で、どちらのリーグも素晴らしいと思います」と述べ、日本でやってきたことが活きた部分については「真面目にコツコツやることはスペインの選手にもすごいね、と言われます。反対に、オン・オフの切り替えはスペインで学びました」と語り、日本とスペイン両面で学ぶことを忘れない同選手の姿勢が見られた。
マラビア氏が女子サッカーの人気は年々高まっているのではないかと述べたことに対して、高倉監督は「様々な現場に行って、年々女子サッカーが発展していることを感じます」と同意見であることを示した。
男子でも先日、乾貴士がレアル・ベティスへの入団発表会見を日本で行うなど、戦略的にスペイン国外での人気獲得に乗り出しているラ・リーガ。女子でもレアル・ソシエダでプレーしていた後藤三知のエイバル移籍が決定するなど、日本人選手の話題が続いている。
今後も、なでしこリーグからスペインへはばたく選手が多く出てくるかもしれない。
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