ワールドカップ 代表チーム

前評判を覆した日本代表。西野監督は何を変えたのか?

 西野監督は前任者が固執したビルドアップの「禁じ手」を解禁。選手たちの意向を汲み取り、戦術的な柔軟性をもたらした。

 ビルドアップの基本形は長谷部誠がDFラインに吸収され3バック気味に変化する3-4-2-1。これが結果的に4-4-2のブロックを組んできたコロンビア、セネガルに対して見事にハマった。

 サイドバックは高いポジションどりを維持し、相手のサイドハーフを押し込むことに成功。最終ラインで3対2の数的優位を確保し、優れたプレービジョンを持つ柴崎岳とハーフスペースでの受け方が抜群に上手い香川真司がパスコースを創り出した。最前線から中盤に降りてプレーメイクする大迫勇也のポストプレー、インサイドに入ってきた乾貴士の賢い貰い方もチームを助けている。

 相手が3枚で長谷部を含む3CBにプレッシングをかけられると不安定になる脆弱性こそあるが、西野監督はハリルホジッチ監督が禁じていた「ビルドアップの柔軟性」をもたらした。ビルドアップが機能したことが、コロンビア、セネガル相手に善戦した大きな要因の一つだろう。

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