モスクワの地で開催国ロシアとサウジアラビアの一戦で幕を開けた4年に一度の大舞台。満員のルジニキスタジアムで行われたこの開幕戦はロシアが5得点を奪う快勝劇で好スタートを切った。またこの試合ではCSKAモスクワのMFアレクサンドル・ゴロビンが長短問わず両足から精度の高いパスを繰り出すなど数多くの決定機に絡み、FKからのスーペルゴラッソに2アシストと鮮烈なパフォーマンスでフットボールファンを虜にしている。
このロシア国内のみならず欧州全体における“注目株”はまだグループステージの1戦しかピッチに立っていないにも関わらず、周囲からは早くも「自身の価値を高める」絶好の機会をものにしたという見方が出ているかもしれない。以前からユベントスやアーセナルをはじめとする多くのビッグクラブから熱視線を注がれる中、フットボーラーとしてのキャリアにおけるステップアップの機会を虎視眈々(こしたんたん)と窺っていた「アルシャビンの後継者」は早速能力の片鱗をピッチ上で示したのだ。
ゴロビンの例で見られるように、将来が明るいフットボーラーにとってFIFAワールドカップやEUROをはじめとする国際大会は、いわば自身のクオリティを披露する“品評会”である。そしてこのロシアW杯でも、今後大きな飛躍を遂げるであろう選手が次々と登場するに違いない。
その中でもロシアやサウジアラビアと同組のウルグアイにも、このロシアW杯にてビッグクラブへのステップアップが大いに期待される“新鋭”が存在する。この2シーズンに渡り、マラッシ(スタディオ・ルイジ・フェラーリス)のピッチを駆け回り、指揮官マルコ・ジャンパオロから絶大な信頼を得ているMFルーカス・トレイラである。
ウルグアイ代表のルーカス・トレイラ 写真提供:GettyImages
身長168cmと小柄ながらも当たり負けしない体幹を誇るこの“レジスタ”は2014年1月に欧州上陸を果たすと、翌年にペスカーラのプリマヴェーラでトップ昇格を勝ち取る。そしてトップチームでも出場機会を増やすと、セリエAの複数クラブから熱視線を送られるまでに成長を遂げる。
そして迎えた2016年夏、サンプドリアがマルコ・ジャンパオロの指揮官就任を発表。これに合わせてトレイラも同監督の強い要望もありマラッシにやってくると、中盤4枚による“ひし形”の陣形をコンパクトに保つ戦術の“舵取り役”に抜擢される。
すると加入1年目から抜群の空間把握能力を武器に能力の片鱗を見せつけ、中盤の底のレギュラーに定着。ビルドアップにおける正確な縦パスのみならず、自陣バイタルエリアを中心としたスペースを埋めることを目的としたポジショニングセンスやボールホルダーとの間合いを詰めるタイミングなど、守備面でチームに大きく貢献。結局このシーズンは公式戦36試合で先発出場を果たし、翌2017/18シーズンもチーム内で不動の地位を確立し、リーグ戦で先発メンバーから外れた試合数はわずか「2」である。
カルチョ界屈指の“レジスタ”として着実に評価を高めたトレイラを巡っては、イタリア国内の強豪のみならずアーセナルをはじめとする国外クラブも動向に目を光らせており、これに対してサンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長も「5000万ユーロ(約64億円)の価値がある」と豪語するなど、今夏でのステップアップに大きく近づいている。そして同時に、ワールドカップという“品評会”への参加資格をつかんだ同選手は、自らの実力をロシアの地で試すこととなりそうだ。
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