Jリーグ FC東京

今季“サプライズ”をもたらしているJ1上位2クラブのキーマンは…?

FC東京の高萩洋次郎  写真提供:GettyImages

“戦う集団”には欠かせない中盤のパーツ

 サンフレッチェ広島在籍時にペトロヴィッチ監督のもとで成長を遂げた日本代表MF高萩洋次郎は、今季の長谷川監督が掲げる「90分通じてハードに戦う姿勢」を体現するためにも、中盤の要として欠かすことのできない存在だ。実際、先発メンバーが多く入れ替わる中でもこのハードワーカーはここまでリーグ戦全試合で先発出場を果たしている。

 かつては前線へ決定的な縦パスを通す「10」番のタイプとして頭角を現し、サムライブルーのユニフォームにも袖を通すほどにまでの成長を遂げる。しかし2014年のブラジルW杯メンバー落選を機に、オーストラリアや韓国へ新天地を求めると、セカンドボールをはじめとする球際での勝負強さをはじめとするフィジカルコンタクトを強化。

 「6」番への変貌を遂げて昨季J1復帰を果たすと今季はMF東慶悟やMF橋本挙人らとともに絶妙の距離感を保ち、守備時には中盤センターにてスペースを与えず、対戦相手の攻撃の起点を潰す役割を着実に遂行している。この北海道コンサドーレ札幌戦でも、前線へのパスコースの封鎖によりボールホルダーをサイドに追いやり、そして中盤における激しいコンタクトによりタイ代表MFチャナティップ・ソングラシンに決定的な仕事をさせていない。

 また76分には左サイドのCKに絶妙なタイミングでニアサイドに入り込み、セカンドポスト側を狙った打点の高いヘディングシュートを披露。この重要な一戦における一番の決定機だっただけに、少々運が無かったのかゴールマウスも右に反れたことが本人のみならずファンにとっても心残りであるかもしれない。

著者:津田翔汰

フットボールトライブ編集部。Calcio,Bianconeroをこよなく愛する若武者

Twitter:@specialheart889

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