Jリーグ 鹿島アントラーズ

低迷する常勝軍団鹿島アントラーズ。改革が求められる時

 

鹿島アントラーズ史上最悪のシーズンのひとつ

 シーズン開始前、鹿島アントラーズはほとんどのプレビューで優勝候補に挙げられていた。J1の全18クラブの戦力を見比べれば、鹿島が選ばれるのは自然なことだと言える。日本代表クラスの選手をそろえ、各ポジションに複数の選択肢を持ち、昨シーズンはあと一歩のところで優勝を逃したチームだ。しかし開幕から2ヶ月が過ぎ、チームはまだ上手くいっていない。実際に今シーズンの彼らは、クラブ史上最悪なシーズンのひとつを過ごしている。

 鹿島が下半分以下の順位でリーグ戦を終えたことは、1999年の16クラブ中9位と、2012年の18クラブ中11位、という2度しかない。彼らは、3勝2分け4敗の勝ち点11で現在12位に位置している。サガン鳥栖戦と北海道コンサドーレ札幌戦で、エリア内で鹿島の選手の明らかなハンドがあったにもかかわらず、見逃されたことは覚えておく価値があるだろう。それによって、勝ち点でいえば合計3ポイントを得たと言っていい。つまり、それがなければ今降格圏に沈んでいてもおかしくないのだ。

 開幕から9節までの成績に限って言えば、これは鹿島にとって最悪のシーズンではない。2001年、彼らは9節を終えた時点で、勝ち点7しか獲得できず、16クラブ中14位に位置していた。しかしその年の終わりには、タイトルを獲得していた。2011年と2012年も今よりも状況は悪かった。18クラブ中14位に位置していたのだ。これらの数字は希望の光を灯すだろうが、最近のパフォーマンスを観るかぎり改善の兆候は見られない。それどころか悪くなる一方だ。

 シーズン前に最も強固なディフェンスのひとつに目されていた守備陣は、多くのミスを重ねてオウンゴールを献上する傾向にある。過去4試合中3試合でオウンゴールを献上しているのだ。鹿島ディフェンスのリーダーである昌子源はいくつかの試合で素晴らしい活躍を見せ、頻繁に週間ベストイレブンに名を連ねているが、そのほかの試合では彼のミスが勝敗を分けている。彼は以前のように信頼のおける存在ではなく、それにより、ワールドカップで先発を務めるチャンスも徐々に少なくなってきている。

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