日本時間23日に行われた日本代表対マリ代表。ロシアワールドカップ、グループHに同居するセネガル代表を想定して行われた国際親善試合だったが、日本代表は多くの課題を残す結果となった。今回は、この試合で見えた5つのポイントを解説する。
存在感の無かった本田圭佑
チームの状態に足を引っ張られる形で精彩を欠いていた本田。会見で「裏を狙う動きを求められている」と語っていたが、この試合ではほとんど見ることができなかった。スタメンでモチベーションを得て、試合経過とともにリズムをつかむタイプなだけに、長いプレー時間を与えた方が輝くのではないだろうか。
フィジカルで優位に立つ相手に対して
セットプレーでも特段弱さを見せることはなく、競り勝っていた。真の問題はそこではなかった。特にJリーグでプレーする選手に顕著だったのが、相手選手のスケールを最後まで把握できなかったことだ。Jリーグでは足が伸びてこないだろう場面で、アフリカの選手はボールを触れる。宇賀神のファールなどは感覚的慣れていないことが現れた象徴的なシーンだった。
新戦力
中島翔哉は爪痕を残し、ジョーカーとしての可能性を多分の感じさせた。大島僚太はクラブでの好調さを代表でも見せ、チームにリズムを与えていた。チームの大黒柱である長谷部誠との相性の良さを見せられたことも収穫だろう。宇佐美貴士に関しては判断が難しい。攻撃では良さを見せたが、守備時のポジショニングが良くなかった。
選手層の薄さ
右サイドバックを任された宇賀神友弥は期待外れに終わり、酒井宏樹の穴を埋めるには至らなかった。しかし、所属する浦和レッズでは左サイドバックを務めているだけに、なぜ彼を右で起用したのかについては疑問が残る。吉田麻也の不在により起用された槙野智章は、吉田がいない間を埋めるには最低限の仕事はできそうだが、代わりになることはできないだろう。トップ下で起用された森岡亮太はチームにフィットできていない。怪我を治し所属クラブでプレー時間を確保できれば、香川慎司の代表復帰も十分あり得るだろう。
ハリルの采配
新戦力を試すという点では実りの多い試合となった。攻撃の形も、前半はおそらく練習してきたであろう形からいくつかチャンスを作り出すことができていた。しかし、守備面では課題を露呈した。あまりにもちぐはぐでチームとしての形が見えてこず、個人個人で守備をしているような印象だった。しかしこれはあくまでもテストマッチであり、現在はまだ様々なことを試す段階にあるため、この結果を過度に悲観する必要はない。
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