アストーリはミランで出世し、フィオレンティーナのキャプテンを務める前は、カリアリとローマでプレーした。移籍市場で出遅れたクラブにおいて、彼はすぐに先発の中で最も信頼できる選手になった。事実、クオリティのあるディフェンダーだったステファノ・ピオリが、キャプテンにふさわしいとみて、彼のもの静かなキャプテンシーについて大いに語っている。
変わりやすいビオラの中で、チームシートに載る彼の名前は心強いものだった。確かに奇妙なミスはあったが、彼が後ろで攻撃を防ぎ、長身のディフェンダーとしては驚くべき技術で、次の攻撃の開始点となっていたことと比べれば、たいしたことではない。時にその技術を見せびらかすこともあったが、とにかく私たちは彼を愛していた。
ナショナルチームの常連ではなかったものの、彼はそこでも忠実な選手だった。序列の中で出番を待ち、出場すればいつでも全力で闘った。ワールドカップ出場を逃した後、アズーリ再建をスタートするときに、彼の不在が惜しまれるだろう。
イタリアサッカー界ではたびたび取り沙汰される議論を、取り除く彼の能力は、最も称賛されたものだった。彼の試合後のインタビューでは、試合が個人として、チームとして、大勝や悲惨な負けに終わったかどうかにかかわらず、常に同じような微苦笑を浮かべているように見えた。それは小さなことのように思えるかもしれないが、セリエAでは稀な能力なのだ。
ジャンルイジ・ブッフォンが、試合におけるグッド・ガイ、他者に対する利他主義と尊敬を示す手本だと、彼に敬意を表した。フィオレンティーナを生涯負い続けてきた『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のルカ・カラマーイは、自分自身よりも不幸な人々を手助けする準備ができていて、男として真の「フオリクラッセ」であり、敏感なサッカー選手だったと彼について述べた。これらは、彼の愛する人、チームメイト、そして彼を知るすべての人が最も惜しむものだ。
フィレンツェは、その土地のサッカーのチャンピオンやヒーロー、リーダーたちととても近い場所だ。ダビデ・アストーリは3年にも満たない期間しかフィレンツェにいなかったが、彼はより長くこの土地でプレーすることを望んでいた。そしてそうした忠誠心と愛は、ひとつのクラブしか持たない街では心から称賛される。
本当に何が起こったのか、特にスポーツについて書いている人物の辞書には、それを表す言葉など見つからない。素晴らしいサッカー選手であり、立派な若者でもある人物がこの世を去ることにたいして、私たちすべてが貧しい思いをする。時が経てば、おそらく私たちは、試合を適切な視点に保つことについて、彼から学ぶだろう。しかし今は、フィオレンティーナのキャプテンが、あまりにも早く私たちから奪われてしまったことを、純粋に嘆かなければいけない。
さようなら、キャプテン。
著者:Giancarlo Rinaldi
フィオレンティーナをこよなく愛するライター。『フットボール・イタリア』に寄稿。グラッパ愛飲家。フルタイムの夫であり父親。『20 Great Italian Games』の著者。
Twitter:@ginkers
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