このシンプルだが効果的なプレーはバルセロナ在籍時も利用されていた。当時のスタート地点は右のハーフスペース(押し込んだ展開では幅を取るためタッチライン際のエリアに移動する)。ワイドなエリアでの優位を保ち、ディフェンダーの背後を狙う動きを繰り返す。
シチュエーションによってはCFに近い振る舞いもみせている。まず、縦パスを受けるために敵陣深いエリアに移動する。次にリオネル・メッシがペナルティエリア内へ入ったときポジションチェンジを行う。そして、駆け引きでDFラインの背後に走りこむ。攻撃側のMFと別の攻撃者がペナルティエリア内に侵入する。
アーセナルに加入してからは、より役割が多様になった。2シャドーの一角から左のハーフスペースが主なプレーエリア。アーセン・ベンゲル監督からは多くの自由を与えられ、ペナルティエリアに向かってドリブルを仕掛けた。左SBのサポートを受けて、優位性を作ることも得意パターンだ。
左サイドからペナルティボックスに侵入するこのメカニズムは、長い間アーセナルの武器となっていた。
サンチェスはファイナルサード(攻撃的なポジション)であれば、どんな役割でも適応できるだろう。ドリブル、シンプルなショートパス、監督の考えに沿ってプレー可能だ。
アーセナルではファイナルサードだけでなくどのポジションからでもドリブルが許されていた。低重心で強靭なフィジカルを持っているため、狭いエリアでボールを受けても、機敏で鋭い動きを交わすことが出来る。フィニッシュの精度も信頼に足るものだ。
過去を遡ることで未来が見えてくる。これまでサンチェスが担ってきた役割は、ユナイテッドでの活躍を引き出すヒントとなるだろう。
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