アジア 代表チーム

衝撃的な敗戦を喫した森保ジャパン。大量失点の要因…東京五輪での将来像を描く

U-23ウズベキスタン代表 写真:AFC.com

付け入るスキのあったウズベキスタンのビルドアップ

 それでは、U-21日本代表が一つ上の世代であるウズベキスタン代表に勝つチャンスはあったのだろうか。答えはイエスだ。

 国際舞台でも結果を残しているU-23ウズベキスタン代表は、東京五輪世代の選手を起用した日本に比べ、確かに選手の能力もチームとしての完成度も高かった。しかし、この試合ではビルドアップの場面で何度かミスをするシーンがあった。それに気が付き、勇気をもってGKを含めた相手の最終ラインにもプレッシングに行けば、少なくとも1点奪うことは可能だっただろう。
ウズベキスタンのビルドアップは前述のとおり3バックのような形で行われる。本来この形は日本にとって、高木、田川、岩崎の前線3枚を当てやすいので、プレッシングが効きやすいはずだったのだ。もちろん、中盤以降が相手の陣形と人の配置が完全にマッチするので、能力の高い相手に対してマンマーク気味の守備になるリスクはある。それに短期間で多くの試合をこなす大会などで、ハイプレスを続けることは体力的な面で難しいわけだが、それを理解したうえでも前線からプレッシングする回数を増やすべきだった。

 実質すでに試合が決着していた後半に入るまで、日本はシュート0本。後半はなったシュート4本のうち枠内に飛んだものは、93分に三好が左足で放った1本のみだった。前後半を通じて、危険なエリアに全く入れてもらえず、チャンスらしいチャンスをほとんど作れなかった。日本のミスを見逃さずに得点を重ねたウズベキスタンと、プロアクティブな姿勢でミスを誘発できなかった日本。経験不足と言ってしまえばそれまでだが、この試合の結果だけを見ると状況や相手の戦い方に対応する力が選手にも監督にも足りなかったと言っていい。しかし、森保監督のビジョンは、きっとより遠いところにあるのだろう。

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