
著者:ぺぺ土屋
埼玉県出身。フットボールライター。
イタリアでアマチュアとしてプレー。フットボールの文化的側面から、ゴシップ、戦術まで、幅広く執筆する。
ベティスとペスカーラをこよなく愛し、「男はつらいよ」シリーズの大ファンでもある。
19日に行われたU-23アジア選手権。準々決勝でウズベキスタンと対戦した森保一監督率いる日本代表は、前半だけで3失点するなどミスが続き、0-4で敗北。ベスト8で大会を後にした。今回は、なぜ大量4失点を喫したかという原因と、この試合から見えてきた森保ジャパンの将来像を探ってみたい。
格上相手に「守り慣れてなさ」を露呈
失点の場面にフォーカスすると、4失点とも基本的には自分たちのミスから与えてしまったものだった。特に2失点目と4失点目は立田悠悟個人のミスが招いたものだが、そのミスが生まれた原因は、森保監督が採用した守備戦術にあったと筆者はみている。
日本代表の並びは3-4-2-1。守備時は5-4-1のゾーンブロックを敷き、相手がミドルサードに入ってきたあたりからプレッシングを開始する守備戦術をとっていた。これに対してウズベキスタンのシステムは中盤が三角形の4-3-3。ビルドアップ時は7番のクサムロベコフが最終ラインまで下がって、3バックの形でボールを回し、両サイドバックにボールをつけたり、日本の中盤の後ろのポジションから1トップの田川亨介の後ろまで下がってきた10番のシディコフに縦パスを入れながら、揺さぶりをかけていた。
さらに出しどころがないとみると、最前線の9番ウリンボエフへ向けてロングボールを蹴りこみ、そのセカンドボールを拾って攻撃に繋げていた。高さのあるエースストライカーはこの試合で競り合った7回の空中戦のうち4回に勝利し、2回しか負けなかったというデータからも、この戦術が機能していたことがわかる。
日本は1失点目を喫するまではよく耐えていたが、あくまで「耐えて」いたのだ。相手が格上だったことと、チームとして活動した時間が短い分、戦術を落とし込むのが難しかった部分はあるが、それでも、構えた状態で相手の攻撃を受け止めるような守備は、選手たちには精神的に厳しかったのではないだろうか。
それを象徴するような状態だったのが、3-4-2-1の2に入った、14番の高木伴と13番の岩崎悠人だ。彼らは守備の際は中盤のラインまで下がり、それぞれのサイドのサイドバックと対峙する形になったのだが、右から左、左から右へとボールを回すウズベキスタンに対して、特に岩崎などは明らかにスライドすることが(体力的にも精神的にも)苦しそうだった。
さらに、この守備戦術だと、1トップの田川が相手のCBに対してスピードでもパワーでも負けている状況だったので、ボールを奪った後のロングカウンターも望めない。実際に、日本はこの試合で一度もカウンターを仕掛けていない。選択肢の少なかった日本は、DFからパスをつなぐことに固執せざるを得なくなり、それが2点目や3点目の失点につながったと言える。
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