酸いも甘いも知り尽くすベンゲル監督 写真提供:Getty Images
長年にわたって最後の最後でチームを立て直してきたフランス人指揮官だが、自身のアプローチを変えることはできなかった。今や若い監督たちがイングランドに渡り、戦術的に抜け目なく実践的でありながらエキサイティングなサッカーを志向している。アーセナルが心配になるほど後退する一方で、典型的な「ビッグ5」以外のチーム、バーンリーやレスターはヨーロッパの大会出場権を争うサプライズを起こせるかもしれない。アーセナルでは全てがうまく行っておらず、最近の勝ち点による順位表を見ればそれは完全に明らかだ。
長期政権には一貫性や親密さ、安定性といったメリットがあるが、これらは同時に進歩の妨げにもなる。異なる選手が同じミスを犯し、毎シーズン同じ時期に失速し、物事がうまく行き始めた頃に選手の負傷によって白旗を上げるのはもう飽き飽きだ。ファンにシーズン前の予想を聞けば、ほぼ同じ答えが返ってくる。サッカーは決して退屈で簡単に予測できるものであってはならないが、アーセナルにはまさにそれが起こっている。本来週末に自分のチームをサポートする時は、90分間別世界に入り普段の心配事を忘れられるものだ。エミレーツ・スタジアムの空席は、そうでないことを示している。
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