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齋藤学はフロンターレへ移籍。募るクラブへの不信感…目指す先はロシアW杯出場

齋藤学 写真提供:Getty Images

 2016年は齋藤学にとってキャリアハイのシーズンとなった。リーグ戦33試合に出場し10ゴール8アシスト。中村俊輔の退団後、サポーターは新たなエースとして齋藤を認め、マリノスの栄光を再び回復させるため彼に全ての希望を賭けた。その時点で、彼は日本代表としてチャンスを得るのに値していたし、彼の夢である”ヨーロッパのクラブと契約する”ための理想的なシナリオとなるはずだった。

 だが、翌年2017年は彼の人生を1歩後退させる1年になった。開幕戦では決定的な活躍を見せ、25試合で8アシストを記録しチームに貢献した。だが、ゴールが奪えない。パフォーマンスに波があり、ある日は”天才ぶり”を証明するプレーを見せたと思えば、次の4,5試合で全く印象に残らないプレーに終始。リーグ終盤の9月16日にようやくシーズン初ゴールを決めたら、次の試合で右膝十字靭帯を負傷。怪我により、浮き沈みの激しい苦難のシーズンは終わりを告げた。

 彼は2018年4月に28歳を迎える。欧州トップリーグへの移籍はより困難な道のりになるだろう。彼はマリノスに所属する多くの選手と同様、おそらくクラブのピッチ外での不満を抱いている。中村俊輔、齋藤学の退団理由とCFG(シティ・ フットボール・グループ)のポリシーへの不満が関連していることは間違いないだろう。個人的な見解で言えば、齋藤学は海外挑戦するために移籍したと考えている。ACLでのプレー、Jリーグでのタイトル争いは間違いなく彼にとって良い選択肢だろう。彼はそのために過去を清算した。

 だがもちろん、多くのサポーターは「一番愛していた選手に裏切られた」と捉えている。齋藤学の運命は中村俊輔同様、日産スタジアムに帰還すれば、巨大なブーイングが待ち受けているはずだ。

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