セリエA ユベントス

彼はピルロの“後継者”なのか。ユーベの好調を支えるミラレム・ピアニッチ

スイッチが入り本領発揮 写真提供:Getty Images

 トリノで厳しい状況を迎える大物契約選手は、彼が初めてというわけではない。過去にはジネディーヌ・ジダン、ミシェル・プラティニが、ユーヴェの選手としての要求に順応する苦労をしてきたのが有名だ。実際プラティニは最初のシーズン途中までの状況が非常に悪く、フランスに戻ることを真剣に検討していた。

 しかしマッシミリアーノ・アッレグリ監督が今では名の知れた「5スターシステム」を実行すると、ようやくピアニッチにとって好状況となった。彼はユーヴェの高い技術を持った全ての選手と共にスタメンに置かれた。深い位置からボールを受けてユーヴェの攻撃を編成するという定着した役割を得たのだ。パフォーマンスは向上し、特にUEFAチャンピオンズリーグのグループステージにおけるバルセロナを相手にした2戦で傑出した活躍をみせた。

 今シーズン、まさにピアニッチのスイッチが入ったと言えよう。今やしっかりと、かつてのピルロの役割として確立されてきた。ユーヴェのミッドフィールドの支点となり、鋭く知的なパスで攻撃を組み立てる。リーグではすでに6回のアシスト(昨シーズンは全体で9回)、3回のゴール(昨シーズンは全体で5回)を決めている。

 もちろん数字だけで個人のパフォーマンス全ての兆候を測ることはできないが、ピアニッチが初期の苦闘から抜け出したことは明らかだ。彼の最新の直接フリーキックは、プラティニの歴代記録16の上を行き、ロベルト・バッジョ、ジャンフランコ・ゾラ、フランチェスコ・トッティの20にも届く勢いだ。ピャニッチの驚くべき正確性を持ってしては、上記3選手を抜くのも時間の問題だろう。ここ10年間、彼以上に直接フリーキックを決めている者は他にいない。

 今シーズンのセリエAで傑出したミッドフィールダーとなったピアニッチ。もしユーヴェが7連覇目となるスクデット獲得を達成し、またチャンピオンズリーグの決勝ラウンドでも前進していったなら、彼がそれらの重要な要素となることを感じるだろう。

著者:Emmet Gates (football-italia.net)
 
twitter:@EmmetGates

ページ 2 / 2

名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

筆者記事一覧