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本田の活躍もパチューカ勝ち切れず。二面性の問題を克服できるか

著者:セザル・ヘルナンデス
メキシコ代表、メキシコリーグ、国外で活躍するメキシコ人選手の取材を得意とするフリーランスジャーナリスト。『ESPN』『FourFourTwo』『FutMexNation』『Soccer Nation』に寄稿している。
Twitter: @cesarhfutbol

 パチューカは今季「スロースタート」な試合が多いが、水曜日に行われたトルーカ戦の前半は今季の最悪の出来だったといえるだろう。前半45分は攻撃陣が枠内シュート0に留まり、守備陣も1失点でハーフタイムに入れてよかったと思えるほどに情けない状態だった。

 この日、先日の試合と同様に本田圭佑が“偽9番”として先発。パチューカのサポーターからはこの実験的なシステムへの批判がSNS上で殺到した。レギュラーのFWフランコ・ヤラが欠場中とはいえ、一番前へプレスした選手が本田だったという事実はなかなか厳しいものがあった。

 本田の隣に“真の9番”が必要で、そういった選手がいなければパチューカは何も出来なかった状態に近かった。それでも、後半はスイッチを入れた。プレーオフ出場のラストチャンスに懸けてパチューカの選手が反撃に出た。49分に本田が強烈なシュートを放ち、GKのミスによりホアキン・マルティネスが同点を詰め込んだ。

 さらには本田がチームの2点目を演出する。

 58分に本田がエリック・グティエレスからパスを受け、短いドリブル後にホナタン・ウレタビスカヤ選手へパスを送る。すると最後に得点力が高いビクトル・グスマンが逆転ゴールを決めた。

 パチューカは逆転勝利を収めるかと思われたが、そのリードはすぐに消えた。トルーカが75分に2-2と同点に追いつくと、非常に守備的なプレーでパチューカに勝ち越しのチャンスを与えなかった。

 現在、パチューカはプレーオフ圏内から勝点4離れてる。ちなみにレギュラーシーズンの終わりまでは残り4試合だ。もしパチューカが上位8位まで行きたければ、前半のパフォーマンスを忘れて、後半の姿勢を再びみせればチャンスがあるだろう。土曜日のプエブラ戦は、どちらのパチューカが出るのか、注目したい。