プレミアリーグ アーセナル

最悪の開幕も偉業達成の“21年目”ベンゲル。アーセナル復活の秘訣は“OSL”トリオからの諦めか【MatchSTORY】

 アーセナルは10月1日でアーセン・ベンゲル政権21年目を迎えた。その記念すべき日に行われたプレミアリーグ第7節ブライトン戦では、同監督はプレミアリーグの45チームから勝利を挙げるという記録を達成した。これは元マンチェスター・ユナイテッド監督アレックス・ファーガソン氏の記録を超える数で、ベンゲル監督にとっては、21周年節目の試合で新記録を達成するという輝かしい日となっている。

 アーセナルは開幕3試合で1勝2敗。アンフィールドで行われたリバプール戦では4-0で敗れ、イングランド代表MFアレックス・オクスレイド=チェンバレンが、そのリバプールに移籍と最悪のスタートを切った。

 しかし、その後は流石のベンゲル監督。しっかりチームの軌道を修正し、9月を無敗で乗り越えた。順位も7試合を終えて5位と、チェルシーと同勝ち点まで差を縮めている。チーム史上最高額の移籍金で獲得したフランス代表FWアレクサンドル・ラカゼットもここまで4ゴールと移籍金に見合う活躍を見せている。

 興味深いことは今シーズンを迎えて3ヶ月が経つが、ドイツ代表MFメスト・エジル、チリ代表FWアレクシス・サンチェス、ラカゼットというアーセナルの顔というべきトリオが、まだ共にピッチに立ったことがないという事実だ。サンチェスはシーズン序盤代表戦の影響で出遅れ、エジルは怪我で離脱している。おそらく、ベンゲルは攻撃と守備のバランスを考えてのことだろう。

 確かにこの”ÖSL”トリオは少々守備に不安が残る。しかし、昨シーズンの合計ゴール数は79で、同時にピッチに立った時の破壊力は計り知れないだろう。サンチェスとエジルは今シーズンで契約が終了し、このトリオが見られるのは今季が最後になるかもしれないだけにできるだけ多く見ておきたい。

 また、ヨーロッパリーグ・グループステージBATE戦でアーセナル通算100ゴールを決めたフランス代表FWオリビエ・ジルーは未だPLでのスタメンを勝ち取っていない。ベンゲルが今季好むのはウェルベック、イウォビなど、スピードタイプの選手を前の3人の1人に加えるスタメンだ。だが、ジルーは通年スロースタートであり、ここからの巻き返しに期待したい。