Jリーグ ガンバ大阪

G大阪は今季を諦めたのか。5年間の“長谷川”黄金時代終焉に感じる退任発表の是非

 長谷川体制のG大阪は美しいサッカーとはいえず、時に過度な実用主義であったが、彼らは常にトップ争いの中にいた。第12節中にはJ1の1位にさえのぼり詰め、25節中11節でトップ3に位置していた。シーズン前半終了時にもトップの可能性があったほどだ。しかし7月初旬にホームで鹿島に敗北してからは、最大勝点27のところ7点しか獲得していない。チームは順位を落とし、長谷川監督はファンの支持を失った。今シーズンを失望から救う国際カップがいくつか残されているが、メインの目標はすでに過ぎてしまった。しかしここで疑問をあげよう。現在の登録選手でタイトルを期待することは、そもそも本当に実現可能なことだったのだろうか?

 2014年の栄冠の立役者だった宇佐美貴史とパトリックはもうチームにおらず、誰もまだ彼らの“エース”や“得点者”としての代役を満たすに至っていない。MF堂安律が該当する選手だったが、この若い才能ある選手は日本でまだ自身を確立する前に19歳になるとすぐヨーロッパに渡り、オランダのフローニンゲンに期限付きで移籍した。経験値のあるMF藤本淳吾は“プレイメーカー”のポジションだが、8月に右前十字じん帯断裂の怪我を負って今年中の復帰は不可能だ。遠藤保仁はもう以前のようにミッドフィールドをコントロールすることができず、しばらくベンチに留まっている。攻撃陣に良いコンディションの選手がいない。長沢駿はいろいろな場面で得点できるが、充分でないことが多い。アデミウソンは2016年に輝いていたが、2017年未だ力を発揮していない。新契約選手も助けとならなかった。赤崎秀平はまだ初ゴールを決めておらず、大阪ダービーでデビューしたファン・ウィジョもネットを捕らえられずにいる。

 つまり、G大阪はメインの攻撃選手を失ったのだ。残った者はコンディションが悪く、援軍はまだ活躍していない。この環境下ではもともとリーグタイトル獲得は期待できないのである。それを起こすには長谷川監督が奇跡を生まなければならない。ご存知の通りワールドカップ進出を決めた日本のヒーローでチームの現在のスター、昨年からのベスト若手プレーヤーである井手口陽介もまたすぐにでもヨーロッパに行くであろう時、長期計画はさらに難しい。登録選手のベストを引き出し魅力的なサッカーをするチームを編成することは、さらにはタイトル争いをするプレッシャーを生き抜くことは、誰が次のG大阪監督になろうとも厳しい任務となるだろう。トニーニョ・セレーゾか? ネルシーニョ・バプティスタか? 理事会の選択は外国人監督の可能性が高いようだ。

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