一方で、スパーズも質の高い選手たちを抱えるチームだといえるが、数年前のように、ガレス・ベイルのような、スペシャルな選手の姿はない。決定的な仕事のできるストライカー、ハリー・ケイン、デレ・アリやクリスティアン・エリクセンといった選手はいるが、アレクシス・サンチェス、リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドのような、1人で試合を打開することのできるスター選手がチームには必要だろう。
プレミアリーグ優勝を目指し、トッテナムにマドリード所属ガレス・ベイルを復帰させようという動きがあるという噂もあるが、典型的なビジネスマンであるダニエル・リービーチェアマンが1人の選手に対し、8000万(約114億円)から9000万ポンド(約128億円)を支払うことはないだろう。たとえ、彼らにそれだけの資金があるとしても、それだけの金額を支払う可能性は低いとみえる。
代わりに彼らはレスター・シティ所属リヤド・マフレズや、若くて将来性のあるバイエルン・ミュンヘン所属キングスレイ・コマンといった選手の獲得を検討すべきだろう。どういった選手を補強するかは別にして、私は彼らが今シーズンの優勝候補だとは思わない。
私のお気に入りのアーセナルにも同じことがいえる。FAコミュニティ・シールドでチェルシーに勝利したことは良かったが、彼らはプレミアリーグ優勝したような喜びを見せることはなく、マイナータイトルを勝ち取ったことに対し、少し恥ずかしそうにしているようにさえも見えた。
開幕戦は典型的なアーセナルの試合だった。素晴らしいチームスピリットとメンタルの強さを見せ、激しい打ち合いで逆転勝利を収めている。しかしながら、タイトルを決定づけるシーズン終盤の3カ月でこういった戦いぶりを見たいと私は数年間言い続けている。勝ち点3を得たとはいえ、ディフェンス面でのパフォーマンスは決して納得のいくものではなく、こういったゴールを相手に許している限り、リーグ優勝することは不可能だろう。昨シーズン、マンチェスター・ユナイテッドが29失点、スパーズが26失点であったのに対し、アーセナルは44失点を喫している。
ベンゲル監督はアレクサンドル・ラカゼットを2年前に獲得すべきだったと私は考えている。彼の加入はチームにとってプラスであり、ティエリ・アンリ以来のコンスタントに得点することができるストライカーとなり得る選手である。3-4-3もしくは、4-3-3、さらには4-2-3-1の前線で彼はプレーすることができ、アーセナルが得点不足に悩むことはないかもしれないが、失点の数だけは問題となったままである。
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