ドイツは組織の育成が個人の才能に勝ることを証明した
FIFAコンフェデレーションズカップ2017ではドイツ代表は主力選手をゆっくり休ませることができた。バイエルン・ミュンヘンのGKマヌエル・ノイアー、同チームのDFマッツ・フンメルス、レアル・マドリードのMFトニ・クロース、アーセナルのMFメスト・エジル、バイエルン・ミュンヘンのFWトマス・ミュラーは同大会を戦っていない。ロシアではなくポーランドで活躍するはずだったバイエルン・ミュンヘンのDFヨシュハ・キミッヒ(22歳)、バイエル・レバークーゼンのFWユリアン・ブラント(21歳)、シャルケのMFユリアン・ゴレツカ(22歳)そしてバイエル・レバークーゼンのMFベンヤミン・ヘンリヒス(20歳)にチャンスが与えられている。
U-21代表世代の選手たちは同年代の選手と協調性を持つこともできるが、トップレベルの選手たちにも通用する。コンフェデレーションズカップと言う大きな公式戦を経験したからこそ今後の成長がとても楽しみであり、何人の選手が来年のロシアワールドカップで起用されるだろう。
このUEFA U-21欧州選手権2017の優勝は2009年のスウェーデン大会と比べて、ドイツ代表はそこまで期待されていなかった。8年前のドイツは自分たちの「宝石」を見せつけた。マヌエル・ノイアー、メスト・エジル、ユベントスのMFサミ・ケディラ、マッツ・フンメルス、バイエルン・ミュンヘンのDFジェローム・ボアテングといった選手たちだ。2014年のFIFAワールドカップで優勝したチームの原型が誕生した大会だった。
現在のドイツサッカー協会は、UEFA U-21欧州選手権とコンフェデレーションズカップを同時に戦えるドイツ代表を二つも持つとても強力なチームだ。しかも、全ての主力選手を起用しなくても良い状態にある。ドイツサッカー協会が考えた素晴らしいユースプログラムのおかげでもあるだろう。今大会でドイツ代表は、組織の育成が個人の才能に勝ることを証明した。
ミランが黄金時代を築き始めてから30年を迎えたことで気持ちが高ぶっている元指揮官のアルゴ・サッキ氏は、とても満足しているだろう。サッキ氏もこのドイツ代表の育成方針に前向きな印象を抱いている一人なのだ。ドイツ代表のサッカーは個人の能力より組織を大事にする。スペイン代表はそれを知っていたが、いい対策を立てられず、ドイツ代表の前に屈することとなった。誰もがスペイン代表が優勝すると思ったその時に…。
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