
9年ぶりのJ1復帰を目指して臨んだ2025明治安田J2リーグのRB大宮アルディージャ。開幕から4連勝を飾りスタートダッシュに成功すると、第18節終了時点では自動昇格圏内の2位につけるなど、前半戦を好位置で折り返した。
しかし、後半戦は勝ちきれない試合が続き失速。最終的にはJ1昇格プレーオフ(以下、PO)圏内ぎりぎりの6位でフィニッシュし、残る昇格1枠を懸けてPOに挑んだ。
12月7日にフクダ電子アリーナ(千葉県)で行われたPO1回戦では、3位のジェフユナイテッド千葉と対戦。3点をリードしながらも、後半だけで4失点を喫する悪夢の大逆転負けを喫し幕を閉じた。
今オフは、主力流出を含め厳しい状況に直面する可能性が高い。ここでは、今冬に移籍の可能性が高い主力4選手を、筆者の視点で紹介していく。

市原吏音
1人目は、20歳ながら大宮の最終ラインを支え、先月イングランドで行われたU-22日本代表にも選出されたDF市原吏音だ。大宮の下部組織出身の市原は、高校2年時の2022年にU-17日本代表に初選出されると、その後は世代別の常連メンバーになった。当時から読みの鋭さや空中戦の強さ、高いビルドアップ能力を兼ね備えたセンターバックとして評価を高め、現代サッカーに求められる資質をすべて備えた存在として注目を集めてきた。
2022年2月に2種登録でトップチームに名を連ねた市原。翌2023年6月に再登録されると、7月12日に行われた天皇杯(JFA第103回全日本サッカー選手権大会)の3回戦(セレッソ大阪戦3-1)で、クラブ史上最年少となる18歳5日でトップチームデビューを果たした。さらに同月16日の栃木SC戦(0-0)では、スタメンでリーグ戦デビューも飾った。
高校卒業後の2024シーズンから正式にトップチームへ昇格すると、持ち前のキャプテンシーが認められ、副キャプテンに就任。DFながらJ3で31試合4ゴール1アシストをマークし、クラブの1年でのJ2復帰に大きく貢献した。
今シーズンも副キャプテンを務め、J2リーグ29試合1ゴール1アシストで大宮のJ1昇格プレーオフ進出に貢献したが、PO1回戦の千葉戦で痛恨の大逆転負けを喫し、悔しさの残るシーズンとなった。
来シーズンから秋春制へ移行するタイミングも重なり、成長著しい市原には、今オフにも海外移籍の可能性がありそうだ。

谷内田哲平
2人目には、今シーズン京都サンガから大宮に完全移籍で加入したMF谷内田哲平を挙げたい。新潟の強豪校である帝京長岡高校出身で、1年時からレギュラーとしてプレーしていた。高校2年時に出場した第97回全国高校サッカー選手権大会では優秀選手賞に輝いており、優れたパスセンスで攻撃を活性化させ、司令塔として活躍していた。
同校卒業後、2020シーズンに京都サンガでプロキャリアをスタートさせた谷内田。ボランチやトップ下、サイドなど前線寄りのポジションを主戦場とし、プロの舞台でも持ち前のパスセンスでチームの攻撃を活性化させた。高卒1年目となった2020シーズンには、J2リーグ23試合に出場し2アシストを記録するなど、早くから頭角を現した。
その後は栃木SCへ2年間の期限付き移籍を経験し、2023シーズンに京都へ復帰。しかし、復帰後は思うような結果が残せず、2024シーズン途中に韓国2部リーグのFC安養に期限付き移籍し、今シーズンからは大宮に活躍の場を移した。
心機一転となった今季は、大宮でJ2リーグ30試合に出場し1ゴール5アシストを記録。見事チームにフィットして存在感を示した。ただ、今季途中に就任した宮沢悠生監督の下では先発出場がわずか1試合にとどまっている点は気掛かりだ。
大宮は来シーズンも宮沢監督との契約を更新しており、起用法次第では谷内田が新たなオファーに心を動かされる可能性もありそうだ。
コメントランキング