Jリーグ ロアッソ熊本

サポーターは…?ロアッソ熊本のJ3降格声明が波紋「一番悔しいのは選手監督スタッフ」

ロアッソ熊本 写真:Getty Images

 ロアッソ熊本は11月29日に行われた明治安田J2リーグ最終節でヴァンフォーレ甲府に引き分け、J3降格が決定。クラブは試合後、大木武監督の退任が公式発表したが、ファン・サポーター、スポンサー等に向けた声明の一部内容が波紋を呼んでいる。

 クラブは「ロアッソ熊本に関わるすべての皆様へ」と題した声明を発表。「今シーズンもファン・サポーターの皆様、パートナー企業の皆様、行政の皆様、ボランティアの皆様、そして、ロアッソ熊本の活動に関わっていただいている、すべての皆様から賜りましたご支援、ご声援に心から深く感謝申し上げます」とした上で、J3降格という結果についてこう記している。

 「最終戦まで来シーズンがどうなるか分からないような状況をつくってしまい、そして結果としてJ3降格となってしまったことに、心よりお詫び申し上げます。ただ、監督をはじめとするチームの選手やスタッフ、そして私どもフロントスタッフ全員は、必死に歯を食いしばって闘ってまいりました。誰一人として、手を抜く者はおらず、最後の最後まで走り続けてきました」

 「それでもなかなか歯車がかみ合わず、もう少しというところで追いつかれたり、追い越されたりと、本当に皆様に悔しい思いを何度させたことかと、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、一番悔しかったのは、選手であり監督・チームスタッフであることは間違いありません」

 「来シーズンより、シーズンが秋春制に変わります。その前の移行期間として、約半年間にわたるJリーグ百年構想リーグが開催されます。このJリーグ百年構想リーグ期間で、しっかりとしたチームづくりを行い、その後に迎える2026/2027の本シーズンでは、J3の舞台で今シーズンの悔しさを晴らしてまいります。そして、必ずや1年でJ2復帰を果たします。その為にも、これからも変わらぬご支援、ご声援を賜りますよう心よりお願い申し上げます」

 この声明文の中で「一番悔しかったのは、選手であり監督・チームスタッフであることは間違いありません」という文言がファン・サポーター等の間で話題に。ホームゲーム、アウェイゲームに駆け付け、チャント等でチームを後押ししていたファン・サポーターも、J3降格という結果を受けて、選手、監督、チームスタッフと少なくとも同じくらいの悔しさを感じている。それだけに、ファン・サポーターが感じている悔しさにも触れる必要がある。

 今回の声明をめぐる議論は、クラブとサポーターの間に存在する「悔しさの共有」という感情的な距離を浮き彫りにした。J3降格という現実を受け止める苦しさは、ピッチで戦った選手やスタッフだけではなく、クラブを信じて支え続けたサポーターも同じ重さで抱えている。だからこそ、クラブにはその想いに寄り添い、痛みを分かち合おうとする姿勢が求められる。