Jリーグ 鹿島アントラーズ

ブラジル代表下すも…鹿島OBジーコ「日本代表はもっと早く…」W杯決勝進出の条件も語る

ジーコ氏 写真:Getty Images

 キリンチャレンジカップ2025の日本代表対ブラジル代表が、10月14日に東京スタジアム(味の素スタジアム)で開催。日本がMF南野拓実(ASモナコ)、FW中村敬斗(スタッド・ランス)、FW上田綺世(フェイエノールト)のゴールにより、史上初めてブラジルに勝利したが、元日本代表監督で鹿島アントラーズOBのジーコ氏が、FIFAワールドカップで決勝まで勝ち進むための条件を語っている。

 『コレイオ・ダ・マニャン』などブラジル複数メディアの報道によると、ジーコ氏は「日本はもっと早くブラジルから初勝利を挙げてもおかしくなかった。今は欧州でプレーする経験豊富な選手も多いし、彼らが違いを生んでいる」と、MF堂安律(アイントラハト・フランクフルト)、MF南野拓実(ASモナコ)ら日本のメンバーが強力だと主張。その上で、日本のW杯決勝進出の可能性について以下のように語ったという。

 「日本がW杯決勝に進出することを大いに期待している。彼らは優勝を目指して戦っているからね。日本は非常に優れたチームで、経験豊富。日本人選手はヨーロッパのクラブでスタメン出場している。選手のクオリティーは著しく向上しており、それがサッカーのレベルをさらに高めている。だからこそ、最近の好調なパフォーマンスは素晴らしい。日本代表が重要な試合で感情面のバランスを取ることができれば、決勝まで勝ち進むだろう」

 ブラジル戦での金星を受けて「本当に誇らしい。私が日本に行った目的は、サッカーにおけるプロフェッショナリズムとは何かを示すことだった。そして、彼らはそれを受け入れてくれた。それが実践されて以降、日本はずっとW杯に出場しているからね」と、手放しに日本サッカー界を称えたジーコ氏。ブラジルを下すという快挙は、単なる一試合の勝利ではなく、日本サッカーが長年積み重ねてきた努力と成長の証明である。

 ジーコ氏の言葉は、その進化を誰よりも近くで見てきた者の確信に裏打ちされている。欧州で磨かれた選手たちが技術と経験をチームにもたらし、個の力が組織力へと昇華しつつある今こそ、日本代表は新たな次元に踏み出す段階にある。残された課題は、プレッシャーの中でも冷静さを保ち、勝負どころで力を発揮できる精神的な成熟だ。その壁を越えた時、日本は真に世界の頂点を狙う存在となるだろう。