
日本サッカー協会(JFA)は10月7日の理事会で、影山雅永技術委員長との契約解除を決議した。
影山氏の解任は、10月2日に発生した事件が発端である。チリ・サンティアゴで開催中のU-20ワールドカップを視察するため、パリ・シャルル・ド・ゴール空港経由で南米へ向かうエールフランス機に搭乗中、機内で児童ポルノ画像の閲覧が確認された。客室乗務員が通報し、到着時にフランス当局に拘束された。その後、10月6日にパリ近郊の簡易裁判所で輸入および所持の罪で有罪判決を受け、罰金刑と釈放が決定した。
JFAの技術委員長(テクニカルダイレクター)は、名称や職務範囲に時代による違いはあるものの、日本サッカー界で極めて重要な役職である。ここでは、この役職の重要性を整理し、後任の予測を試みる。

近年のJFA技術委員長
近年の主な技術委員長は以下の通りだ。いずれも代表監督やクラブ監督、JFA内外の指導者育成に関わる幅広い実績を持つ。
・影山雅永(2024年4月~2025年10月)U-20日本代表・マカオ代表・シンガポールU-16・ファジアーノ岡山元監督。2024年3月の理事会で就任。
・反町康治(2020年3月~2024年3月)現清水エスパルスGM・サッカー事業本部長。U-23(北京五輪)日本代表・アルビレックス新潟・湘南ベルマーレ・松本山雅元監督。代表監督選定にも関与し、三位一体の強化策を推進。
・関塚隆(2018年4月~2020年3月)現福島ユナイテッドTD(テクニカルディレクター)。元U-23(ロンドン五輪)代表・川崎フロンターレ・ジュビロ磐田・ジェフユナイテッド千葉元監督。
・西野朗(2016年3月~2018年4月)日本代表・日本U-23(アトランタ五輪)代表・柏レイソル・ガンバ大阪・ヴィッセル神戸・名古屋グランパス・タイ代表元監督。2016年の新体制で就任。
・霜田正浩(2014年9月~2016年2月)U-20日本代表・京都パープルサンガユース・Y.S.C.C.・レノファ山口・サイゴンFC(ベトナム)・大宮アルディージャ・松本山雅元監督。ハリルホジッチ監督招聘などに尽力。2014年までの肩書きは「強化担当技術委員」。
・原博実(2009年2月~2014年9月)現RB大宮アルディージャフットボール本部長。元日本代表FW。浦和レッズ・FC東京元監督。2013年に専務理事へ転任。
・小野剛(2006年8月~2010年1月)サンフレッチェ広島・ロアッソ熊本・FC今治元監督。オシム監督時代に代表監督選定に関与。
・田嶋幸三(2002年~2006年)現東アジアサッカー連盟会長。U-17日本代表元監督。第14代JFA会長(2016-2024)。JFAアカデミー福島創設に携わる。
・大仁邦彌(1998年7月~2002年8月)日本代表・三菱重工元監督。第13代JFA会長(2012-2016)・現名誉会長。2002年W杯強化推進本部副本部長も兼任。

技術委員長の具体的な役割とは
技術委員長は、JFA内の12委員会の一つである技術委員会の長として、日本代表の強化、ユース育成、指導者養成などを統括する。代表監督候補の選定や編成案の作成など、各世代の代表チーム運営の中心に立ち、A代表を含む全世代の強化を支える。任期は基本2年で、理事会の推挙により会長が委嘱する。
技術委員長は選手育成や強化にとどまらず、普及活動や指導者養成も管轄する。2018年のFIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会直前には、西野朗氏がハリルホジッチ監督の解任を受け、そのまま代表監督に就任した例もある。
A代表監督の選定では、技術委員長が候補者を理事会に推挙し、会長による最終委嘱を支える。霜田正浩氏は在任中の2014年にハリルホジッチ監督の招聘を主導し、2018年ロシアW杯出場を実現した。また、関塚隆氏は各世代の代表チーム編成において選手リスト作成や監督への助言を行い、2022年カタールW杯に向けた強化計画の立案にも関与した。
育成面では、JFAアカデミーの運営監督を務め、2006年に田嶋幸三氏時代に創設されたJFAアカデミー福島では、年間約50名の有望選手をスカウト・指導する体制を整備した。指導者養成では、JFA公認S級コーチライセンス(現JFA Proライセンス)の審査基準を設定し、反町康治氏が制度化を推進。2023年度には新規18名が認定され、総認定者数は575名に達している。これらの業務は、月1回開催されるJFA本部技術委員会の会議を通じて推進されている。
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