2024明治安田J1リーグは9月27日~28日に第32節を迎える。なかでもサンフレッチェ広島と町田ゼルビアの首位天王山は次節、いや、今シーズンで最も注目を集めるゲームではないだろうか。
前節は対照的な結果となった両者。第30節終了時に首位だった町田は19位の北海道コンサドーレ札幌と対戦し0-0のスコアレスドロー。2位の広島は8位横浜F・マリノスと対戦し6-2と快勝した。これにより町田と広島は共に勝ち点59で並んだが、得失点差(町田24、広島29)で5ポイント上回った広島が首位に返り咲いている。
ここでは、今年一番のビッグマッチとなる首位広島VS2位町田の見どころと各チームから2名の注目選手をピックアップしていく。
明暗の分かれた町田と広島
9月21日開催の第31節、本拠地で19位札幌と対戦した町田は序盤から積極的なプレスで相手のビルドアップを制限し、札幌の攻撃陣を封じ込めることに成功。攻撃面ではFW藤本一輝を中心にチャンスを作るが得点は中々奪えない。後半はYBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)準々決勝での退場処分明けとなったFW藤尾翔太、今夏加入のFW相馬勇紀などを投入し攻撃に厚みを持たせるが、札幌の集中した守備陣を崩すことが出来ず痛すぎるスコアレスドローで試合終了。かろうじて勝ち点1を手にする形となった。
一方の広島は9月22日に本拠地で8位の横浜FMと対戦。開始早々からFW加藤陸次樹がゴール前の混戦を制し広島が先制に成功する。その後一時追いつかれるも、ボール奪取後の素早い攻撃から今夏加入のFWトルガイ・アルスランが連続得点を決め3-2で前半を折り返す。後半は攻め込まれる場面もあったがDF新井直人、MF東俊希、FWピエロス・ソティリウが3ゴールを奪い得点力を見せつけ6-2の快勝で大きな勝ち点3を獲得した。
サンフレッチェ広島(現1位)
- 勝ち点59
- 試合数31
- 16勝11分4敗
- 得点61失点32
- 得失点29
ポジティブ要素
リーグ戦直近9試合負けなし。うち、8勝1分けと驚異のハイペースで首位独走の尻尾を掴んでいる。その立役者となるのが、今夏オーストラリア1部のメルボルン・シティから完全移籍で加入したトルコ系ドイツ人FWトルガイ・アルスランだ。ここまで出場したリーグ戦7試合257分の中で放ったシュートは9本。そのうち7本がゴールしており、驚異の数字を叩き出している。チーム全体でみてもJ1の得点総数が第1位と攻撃力の高さを物語っている。
ネガティブ要素
リーグ4番目に少ない32失点ではあるが、直近3試合で複数失点している点が唯一の懸念点か。広島の攻撃陣が手詰まるようなことがあれば、一気に劣勢に回ってしまうことも考えられる。DFの荒木隼人、佐々木翔、中野就斗がいかに町田の強靭なFWに仕事をさせないかがカギとなりそうだ。
町田ゼルビア(現2位)
- 勝ち点59
- 試合数31
- 17勝8分6敗
- 得点46失点22
- 得失点24
ポジティブ要素
町田の武器はなんといっても強固な守備力である。ここまでクリーンシート総数が16試合、総失点数が22とJ1トップの数字を誇っている。Jリーグ公式サイトによると、被枠内シュート数は92本とこちらも最少の数字だ。守備陣には日本代表のGK谷晃生、DF中山雄太、元日本代表DF昌子源など豊富なタレントを揃えており、チームには欠かせない存在だ。
ネガティブ要素
9月14日に行われた第30節のアビスパ福岡戦で、ディフェンスの要であった中山雄太が右膝内側側副靱帯損傷で戦線離脱。これはチームにとって大きな痛手だろう。また、前回の直接対決では、広島に中盤の競り合いで負けてしまったことが先制点を許すきっかけとなった。こぼれ球奪取数は町田が1,055回の5位に対し広島は1,157回で1位。中盤の競り合いをいかに制するかが勝負のターニングポイントとなり得る。
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