いよいよ3試合を残すのみとなった2023明治安田生命J2リーグ。全22クラブが第39節を終えた10月22日、最下位ツエーゲン金沢のJ3降格が確定した。
下位2クラブがJ3へと自動降格する今季のレギュレーションで、残る降格枠はあと1つ。現在16位から21位の6クラブ(徳島ヴォルティス、いわきFC、ロアッソ熊本、栃木SC、レノファ山口、大宮アルディージャ)が勝ち点差わずか5の中でJ2残留に向けてしのぎを削っている。現時点21位で降格圏にいる大宮は、直近4連勝と残留に向けてラストスパートをかけており、僅差で戦う6クラブ全てが油断できない状況だ。
ここでは、J2の熾烈な残留争いの只中にいる6クラブについて、2023シーズン残りの対戦カードや戦績、注目選手を見ていこう。
徳島ヴォルティス:現16位
- 第39節時点:9勝17分13敗(勝ち点44、得点40、失点51)
- 勝率:ホーム25%、アウェイ21%
- 直近5試合:1勝1分3敗(得点4、失点8)
残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績
- 第40節:V・ファーレン長崎(アウェイ)第10節0-4
- 第41節:藤枝MYFC(ホーム)第17節0-3
- 第42節:ブラウブリッツ秋田(アウェイ)第6節0-0
咋2022シーズンはJ2で8位という好成績を収めた徳島ヴォルティス。今2023シーズンは、ここまで9勝17分13敗で現在16位。直近5試合は1勝1分3敗(4得点8失点)と決して良い状態とは言えないが、開幕から11戦勝ちなしで最下位に甘んじていたシーズン序盤に比べると、残留に向けて地道に勝ち点を積み重ねてきたと言える。
残り3戦はいずれも今季勝てていない相手のため、難しい試合になることは必至だ。しかし、この状況を逆手にとれば、窮地に追い込まれた徳島のリベンジ魂が大きな力となり、残留圏に踏みとどまる可能性も否めない。
注目選手はFW森海渡だ。柏レイソルから期限付き移籍中の森は、今季これまで12ゴールを決めクラブ内では得点王、リーグでも5位の成績でチームをけん引してきた。直近9試合はノーゴールだが、J2残留を懸けた最終盤、得点王らしい活躍でチームを助けることができるだろうか。
いわきFC:現17位
- 第39節時点:11勝11分17敗(勝ち点44、得点40、失点63)
- 勝率:ホーム30%、アウェイ26%
- 直近5試合:2勝1分2敗(得点7、失点12)
残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績
- 第40節:ジェフユナイテッド市原・千葉(アウェイ)第21節0-0
- 第41節:モンテディオ山形(ホーム)第20節0-3
- 第42節:藤枝MYFC(アウェイ)第1節2-3
2021シーズン、日本フットボールリーグ(JFL)で優勝しJ3に昇格したいわきFC。昨2022シーズンは創設以来初となるJ3の舞台で23勝7分4敗と見事な成績を挙げ優勝し、J2へのストレート昇格を決めた。今2023シーズンはこれまで11勝11分17敗で17位につけている。
残留争いをする6クラブの中では比較的高い勝率を誇っているが、徳島同様、残り3試合で対戦する相手に今季勝利できていない。昇格プレーオフ圏(3位~6位)を争う千葉(現5位)と山形(現8位)も含まれている。JFLからJ3、J2と順調に昇格してきたいわきの勝負強さでこの局面を乗り切り、何とかJ2に留まりたいところだ。
注目選手はMF山下優人。2019年、東北社会人サッカーリーグ1部所属だったいわきに加入すると、2年後のJFL2021シーズン全試合に出場し活躍。その年のJFLベストイレブンに選出され最優秀選手賞を受賞するなどし、JFL優勝とJ3昇格に大きく貢献した。2022シーズンはキャプテンに就任し躍動。チームを優勝に導き、J3ベストイレブンにも選ばれた。今季もキャプテンを務めている山下は、これまで全試合に出場し奮闘中。最終盤の難局を乗り越え、無事にJ2での2年目を迎えることができるだろうか。
ロアッソ熊本:現18位
- 第39節時点:11勝10分18敗(勝ち点43、得点46、失点49)
- 勝率:ホーム25%、アウェイ32%
- 直近5試合:3勝2敗(得点7、失点4)
残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績
- 第40節:清水エスパルス(アウェイ)第20節0-1
- 第41節:ヴァンフォーレ甲府(アウェイ)第14節2-0
- 第42節:レノファ山口(ホーム)第4節3-1
咋2022シーズンは、J2で4位と好成績でシーズンを終えたロアッソ熊本。今2023シーズンはここまで11勝10分18敗で18位につける。アウェイでの勝率が32%とホームより高く、敵地での戦いを得意としてきたのが特徴だ。
残り3試合のうち2試合がアウェイであることは熊本にとってやや有利。また、対戦する3クラブ中2クラブには今季勝利も挙げている。しかし優勝争いをしている清水(現2位)、プレーオフ出場を目指す甲府(現7位)、残留争いをしている山口(現20位)と、いずれも最終節まで勝ち点を渇望しているチームであり、厳しい戦いが予想される。
注目選手は、今季からからキャプテンを務めるMF平川怜。ここまで、1試合平均敵陣パス数(35.9)1位、1試合平均チャンスクリエイト数(2.8)2位で6ゴール7アシストを記録し、特に攻撃面で大きく貢献している。J3時代(2020年)からチームを率いる大木武監督のポゼッションサッカーにおいて攻撃のスイッチを入れる役割も担い、ラスト3戦でも多くのチャンスを創ることが期待される。
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