明治安田生命J1リーグのヴィッセル神戸に所属する元スペイン代表FWボージャン・クルキッチ(31)が、現役時代にローマ一筋のキャリアを歩んだフランチェスコ・トッティ氏と自分自身を比較した。19日、スペイン紙『アス』が伝えている。
トッティは1989年にローマ下部組織へ入団し、1993年3月に16歳でプロデビュー。1994/95シーズン途中からレギュラーに定着していた。そして1998年にはキャプテンに就任すると、2000/01シーズンのセリエA優勝に大きく貢献。ローマの象徴として2016/17シーズンまでプレーし、2017年7月に現役引退を発表するとともにローマのフロント入りしていた。
また、トッティは2004年にレアル・マドリードから高額オファーが届いたものの残留。そして現役引退間近の2017年には明治安田生命J2リーグの東京ヴェルディが獲得に乗り出していたが、トッティの家族が日本行きを望まず交渉が破談に終わっていたことが明らかになっている。
一方、ボージャンはバルセロナ下部組織出身であり、ミランやローマ、アヤックス、マインツ、メジャーリーグサッカー(MLS)のモントリオール・インパクトなど複数クラブに在籍。昨年8月からヴィッセル神戸でプレーしている。
そんなボージャンは『アス』のインタビューに応じた際、移籍を経験していない選手に足りないものを聞かれると「確かにトッティのように、マドリードからオファーを受けて「いや、私が望むのはローマで成功し、タイトルを獲得することだ」と言った選手はあまりいないね。トッティのような選手がいることで、クラブに対するサポーターの忠誠心が高まるんだ」と語る。
その上で「ひとつのクラブでキャリアを全うすることは、メリットも多いけれど、生きることや多くの物事を学ぶことを止めてしまうことになると思うのさ。僕はサッカーのおかげで様々な国やリーグ、クラブでプレーすることができたわけだし、とても恵まれていると思っている」
「それに引退した後に残るのは、獲得したタイトルでもなく、お金でもない。サッカー選手としての経験や人生、出会った人たちなんだ。自分のコンフォートゾーンを飛び出すようなチャレンジによってのみ得られるものだね」と語っている。
欧米とは生活面の環境や文化は大きく異なる日本に身を置いているボージャン。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(37)やMFセルジ・サンペール(27)の存在が大きな後押しになったとはいえ、ヴィッセル神戸移籍はボージャンの人生において最も大きな決断のひとつであったはずだ。
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