
「チャンスをことごとく手放してしまった」
ーボーフムでの1年目はブンデス1部で戦いました。2024/25シーズンはどうでしたか?
三好:難しかったですね…。個人的な問題もありますし、チームとしての問題もありました。筋肉系の怪我をして復帰して、また同じ怪我をして2~3ヶ月アウトして、さらに監督も交代しました。下位のチームになるとどうしても守備的な戦い方になってしまうので、5バック気味で戦うようになると当時の監督からは僕がプレーするポジションが難しいという話になり、そこにも苦しみました。
ただ、(守備的な戦い方の中でも)良い選手は輝きを放てると思うし、自分ならそれができると思っていました。ボーフムが残留争いになる中で、それでも自分にボールさえ入れば決定的なチャンスを作ってゴールを決め切るプレーを出せると思っていたので。
監督が代わって、守備からカウンターという形を重視するようになりましたが、自分にもチャンスを与えてもらいました。その試合で良い場面もありましたが、それをなかなか維持できず、さらに怪我もしてしまい…「この試合で結果を残せば信頼をつかめてもっと使ってくれる」という機会をことごとく自分が手放してしまったと感じます。
チャンスをものにしていれば、監督に攻撃のオプションをもっと与えることができただろうし、チームに守備的な戦いをさせないこともできたと思います。なので昨シーズンに関しての僕は、自分自身でもっとできたことがあったと思っています。
ードイツ2部でプレーしている2025/26シーズンはどうですか?
三好:スタートから苦しい状況が続きました。僕自身も怪我などで最初はなかなかうまくいかない部分もありましたが、監督も代わってチームの状況も上向いてきましたし、自分のコンディションなども良くなっているので今は楽しいです。もう2年目の終盤ですが、僕の特徴もだんだんチームに理解されてきていますし、やりやすい形にもなってきて、感覚的には悪くないです。
ー2部に降格してプレーすることに抵抗はありませんでしたか?
三好:それはもちろんありました。高いレベルでやりたいと思ってドイツに来たのに、結果的に降格してしまった。メンタル面でも難しかったですし、前の監督との折り合いもあったので色々考えましたが、(2025年)8月の試合で怪我をして、(移籍などを)考える余地がなくなりました。その時点で少なくとも冬の移籍期間まではこのクラブにいることが確定しましたし、そのタイミングで監督も代わったので、新たなスタートとして気持ちを切り替えて楽しめています。
ーバーミンガムでは3部に、ボーフムでは2部へと2年連続で降格を経験されました。プレミアリーグやブンデスリーガでのプレーを想定していたなかで、思い描いていたようなキャリアではないと思います。ご自身としてはどのように受け止めていますか?
三好:悔しい気持ちはもちろんありますが、自分の思い通りにいかない経験は小学校の頃からたくさんあります。むしろ思い通りにいった時の方が少ないです。だから、もうやるしかないって感じですね。逆に上手くいっている時でも楽観視はしない方です。ただ、今年で29歳になりますし、年齢的にはサッカー選手としてのキャリアも半分は終わっていると思うので、選手を終えた先のことも考えるようになってきましたね。

「最後に滑り込もうなんて口にできない」
ー以前「夢はW杯での優勝」と言っていましたが、2026年には北米大会が開催されます。意気込みはありますか?
三好:さすがに今、W杯への意気込みを語ろうとは思わないです。それはここまで予選を戦った選手たちが勝ち取ったW杯への出場権なので。もちろん自分の一番の夢ですし、出たい気持ちはずっと持っていますが、現時点で「最後に食い込んでやろう」なんて口にできるほど簡単なものじゃないです。仮に自分がブンデス1部で活躍しているのであれば「行きたいです」と公言できるかもしれませんけど、2部からそれを言っても簡単ではないと思っています。0.001%くらいの確率で呼ばれる可能性があるとして、いつ呼ばれても良いように常に準備はしようと思ってプレーしていますが、だからといって「最後に滑り込んでやろう」とは言えないですね。
数年かけて予選を戦ってきている中で、監督が信頼を持って戦ってきた選手たちがいます。僕が監督だったとしても、そういう選手を差し置いて新しい選手は選ばないと思いますし、責任を背負えるのは予選から戦ってきた選手たちだと思います。なので悔しい気持ちはありますが、今はシンプルに彼らのことを応援していますね。
ーボーフムとは4年の長期契約を結んでいます。先ほど「サッカー選手を終えた先も考えるようになった」と話していましたが、将来的には日本に戻りたいと考えていますか?
三好:難しいところですよね。オファーも必要だし、自分自身の考え方も結構変わるんです。サッカー選手のキャリアをどこまで続けるかも決めていないので、その先のことも考えはしますが、決めてはいません。ヨーロッパにこだわりがあるわけではありませんが、いろんなメリットやデメリットも考えます。例えば「日本で生活することが自分の求めていることなのか」とか。
欧州に居続けるとしても結局僕は日本に還元したいと思っているので、それがサッカーなのか別の形でなのかは分かりませんが、ヨーロッパから行動するのがいいのか、日本に帰ってやる方がいいのか。それがキャリアの終盤にも影響してくると思います。
2年ぶりに見た三好の笑顔に安堵した。どんな質問にも相変わらず丁寧に答えてくれる誠意とコミュニケーション力の高さにはいつも感心してしまう。バーミンガムを去った際にも、現地のメディア担当者が三好について「コウジはいつもポジティブで、どんなときも前向きだったから仕事がしやすかったよ」と語っていたのは決してお世辞ではないだろう。
一番の夢だと語っていたW杯についても、自分が選ばれない可能性を冷静に受け入れている。その姿に一抹の寂しさを覚える一方で、「川崎アカデミーの最高傑作」が欧州で活躍し続けることが、大河の一滴となって日本サッカーの成長につながることを期待してやまない。
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