
セレッソ大阪所属の元日本代表GK中村航輔は、かつて柏レイソルの正守護神として活躍。当時、柏を率いていたネルシーニョ氏が、同選手のポルティモネンセ移籍やその後のキャリア等について語っている。
日本人選手の情報に詳しい海外メディア『Jリーグインサイダー』のYouTubeチャンネルでは、6日にネルシーニョ氏との対談動画が公開。その中で同氏は、2019年に柏へ復帰した際の中村とのやり取りを振り返っている。
ネルシーニョ氏によれば、中村は2019年のプレシーズン時期に、中村本人から海外移籍の希望を打ち明けられたとのこと。しかし、指揮官はすぐに首を縦には振らなかった。チームは前年にJ2へ降格しており、クラブにとってはJ1復帰が至上命題だったからだ。
ネルシーニョ氏は中村に対し「君はチームの正GKだ。今出て行くべきではない」と伝えたという。さらに「まず柏をJ2優勝に導き、J1へ戻してほしい。その後であれば私がクラブに働きかけ、移籍を後押しする」と説得したと明かした。
それでも中村の欧州志向は強かったという。当時はGKコーチも交えながら何度も話し合いを重ね、練習後に30分ほど対話することもあったというが、同選手は2021年に当時ポルトガル1部のポルティモネンセへ移籍する道を選んだ。
しかし欧州での挑戦は順風満帆とはいかなかった。ポルティモネンセでは出場機会が限られただけに、ネルシーニョ氏は「結果的に2年間を有効に使えなかった」と指摘。代表の座を失う結果にもつながったと振り返った。
さらにネルシーニョ氏は、日本人選手の海外移籍をめぐる構造にも言及する。近年は若くして欧州へ挑戦する流れが加速しているが、その背景には代理人の存在もあるという。同氏は「日本の代理人は選手をヨーロッパへ送りたがる傾向がある」とした上で、「選手の頭の中にも“欧州へ行くべきだ”という考えが強く植え付けられている場合がある」と語った。
日本代表クラスの選手が海外へ挑戦すること自体は珍しくない。ただし環境や出場機会を慎重に見極めることの重要性を、同氏は中村のケースを通して示唆した格好だ。欧州移籍は日本人選手にとって大きな夢の舞台である一方、そのタイミングやクラブ選びがキャリアを大きく左右する。元柏指揮官の証言は、日本サッカー界における「海外志向」の光と影を改めて浮き彫りにするものとなった。
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