
ベンチからの景色
今大会、佐々木のプレータイムは4試合で計75分間。限られた出場時間の中で、チームを勝たせる役割が求められている。準決勝の尚志戦でもベンチスタートとなった佐々木。前半は神村学園が押し込まれる時間帯が長く続いた。その様子をベンチから俯瞰して見ていた佐々木に、当時の状況を尋ねると次のように振り返った。
「選手間の立ち位置が遠かったので、思うようなサッカーができていなかったですね。投入されてから距離を縮めて自分たちのサッカーができるように心がけていました」。
神村学園はハーフタイム、MF岡本桂乙(3年)に代えて佐々木を投入。後半立ち上がりこそ選手間の距離感は改善しきれなかったものの、時間の経過とともに徐々に立ち位置が整理され、神村学園にリズムが生まれ始めた。
すると73分、神村学園は同点に追いつく。佐々木への交代が功を奏した形となった。チームはPK戦の末に勝利を掴んだが、佐々木自身はPKを成功させることができず、試合後には悔しさを滲ませた。準決勝で味わったその悔しさを糧に、決勝ではチームを勝利へ導く一撃を決めることができるのか。神村学園の背番号「10」から、最後まで目が離せない。

妹は選手権で準優勝
佐々木には2学年下に妹がいる。同じ神村学園に通い、女子サッカー部に所属するMF佐々木由貴(1年)だ。
妹は中学3年時に、EAFF U-15女子選手権2024の日本代表に選出されたほか、昨年2月にはU-16日本女子代表候補国内トレーニングキャンプにも参加。世代屈指の実力を持つ選手として注目を集めている。所属する神村学園女子サッカー部は、1月11日に神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われた第34回全日本高等学校女子サッカー選手権大会の決勝で柳ヶ浦高校(大分県)と対戦。由貴さんは1年生ながら先発出場を果たした。
試合は前半終了間際にコーナーキックからFW村上凜果(2年)のヘディング弾で柳ヶ浦が先制。後半に入ると、MF佐々木由貴は中盤から効果的にボールを配球し、パスカットで相手の攻撃の芽を摘むなど攻守両面で存在感を示した。しかし神村学園は最後までゴールを奪えず、2年連続の準優勝で大会を終えた。
大会期間中、互いに応援メッセージを送り合っていたという佐々木兄妹。スマートフォンをあまり見ない妹からは、母を通じて兄へ「頑張れ」と一言のメッセージが届いたそう。一方、兄からはボランチでプレーする妹に向けて、「もう少しボールを受けに行った方がいいんじゃない?(笑)」とプレー面でのアドバイスを送ったとのこと。
1月12日に迎える第104回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦。MUFGスタジアムという晴れ舞台で、兄は妹の想いも背負い、神村学園男子サッカー部として初となる同大会優勝を目指す。
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