
主将から後輩へのメッセージ
2回戦・大分鶴崎戦後のロッカールームで、内村は下級生たちに言葉をかけた。「この経験をゼロにしてほしくない。この1年間、チームの課題として掲げていた『主体性』が足りていなかったのが今年のチームで、そこが敗因だと思います。3年生と一緒にやってきたことを(来年に)活かしてほしい」。
主体性をテーマに掲げながらも、その難しさを主将として痛感していたという内村。「梶村(卓)監督に指摘されてから動くことが多く、自分たちで気づいて動くことが出来なかったです」と反省を口にした。
さらに、選手権で勝ち抜くために必要な要素について「苦しい時間帯で、監督の声ではなく選手間で流れを切ることができると上にいけるのかなと思います」と後輩たちにメッセージを送った。内村が残した言葉と経験は、確かに後輩たちへと受け継がれたはずだ。新チームは新主将を中心に、「主体性」を重んじる集団へと生まれ変わっていくに違いない。

内村が選手権で得たもの
内村は1年時の第102回大会から、3大会連続で全国高校サッカー選手権のピッチに立ってきた。しかし、これまでの大会はいずれも苦い経験として記憶に残っているという。1年時に出場した第102回大会では、初戦で昌平高校(埼玉県)と対戦し0-7で大敗。続く2年時の第103回大会でも、東北学院高校(宮城県)に1-3で敗れ、2年連続の初戦敗退を喫していた。
そして迎えた今大会。内村が主将として率いた奈良育英は、初戦の矢板中央戦で見事に勝利を挙げ、先輩たちの想いを「全国1勝」という形で晴らしてみせた。2回戦で敗退とはなったものの、内村自身にとっては3度目の選手権で初の全国勝利。その1勝には、これまで積み重ねてきた悔しさと努力が凝縮されていた。
高校サッカー生活を終えた心境については「不思議と涙は出てきません。ちゃんとやり切ることができたのかなと思っています。後輩たちにはもっと高い目標を掲げてやってほしい」と語った。
最後に、奈良育英サッカー部で過ごした3年間について訊くと、言葉を選びながらこう振り返った。「チームとしては苦しい時の方が多かったですが、それを全員で乗り越えた事も良い経験だと思っています。個人で言えば、3年間選手権に出場させていただいた中で、なかなか勝利に導けなかったのですが、最後はキャプテンとして1勝することができました。奈良育英でやってきたことは、今後に活きることばかりだなと思っています。大学でもサッカーを続けるので、ここで得た経験を大学でも活かしていきたいと思います」。
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