高校サッカー

【中国・四国】第104回全国高校サッカー選手権大会の有力校と注目選手

広島皆実高校(左)米子北高校(右)写真:Getty Images

47都道府県の代表校が全国の舞台で競い合う、第104回全国高校サッカー選手権大会が12月28日に開幕する。中国・四国地方は、地理的条件や人口規模の面からサッカー部の数が多い地域とは言えないが、伝統校や県大会を勢いよく勝ち上がってきた高校が全国の舞台に挑む。

ここでは、中国・四国地方から特に注目したい4校をピックアップ。それぞれの戦力や注目選手のほか、全国大会で勝機をつかむためのポイントを解説する。一発勝負の緊張感が漂う選手権の舞台で、各校が持つ個性をいかに発揮できるかが大きな見どころとなる。


米子北高校 写真:Getty Images

米子北高校(鳥取県)

中国地方を代表する名門・米子北高校は、16年連続21回目の選手権出場を果たした。長年にわたり全国の舞台を踏み続けてきた県内屈指の強豪校である。2025年の全国高校総体(インターハイ)では3回戦まで進出し、全国レベルでの実戦経験を積んだ。さらに、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ中国ではリーグ優勝を達成。攻撃ではカウンターやセットプレーを効果的に活用し、全国大会を知る選手たちが落ち着いたプレーでチームを支えた。

注目選手はMF湯月哲大。組織的な守備と素早い攻守の切り替えを担う中盤でしっかりとチームを支え、U-18プリンスリーグ中国でも得点に絡むプレーを見せてきた。2年時にはU-17高校選抜にも選出され、全国レベルの対戦経験を積んだ実力派MFとして、攻守両面で欠かせない存在だ。

組織的な守備とカウンターやセットプレーを活かした攻撃が特徴のチームが、多くの経験豊富な選手を擁して臨む選手権大会。これまでの全国大会で培った安定感を武器に、試合を優位に進めることが期待される。


広島皆実高校 写真:Getty Images

広島皆実高校(広島県)

広島皆実高校は県大会決勝で沼田高校に2-0で勝利し、3年ぶり18回目となる選手権出場を決めた。県大会では準々決勝、準決勝ともに3得点を挙げるなど、得点力の高さが際立った。チームはU-18プリンスリーグ中国にも参戦し、リーグ戦形式の公式戦で複数の強豪校と対戦。さらに、インターハイ広島県予選でも準決勝進出を果たすなど、県内大会でも力を発揮してきた。

注目選手はFW久保田聖渚。広島県予選では、準決勝・決勝という重要な舞台で結果を残した。準決勝の瀬戸内高校戦では、0-1とリードを許す展開の後半37分に同点ゴールを記録。この一撃をきっかけにチームは逆転し、決勝進出を果たしている。続く決勝でも2得点を挙げ、県大会優勝と選手権出場に大きく貢献した。勝敗を左右する終盤で得点を奪える点は大きな強みであり、注目を浴びている。

広島皆実は、2008年度大会で優勝経験を持つ伝統校だ。一方で近年は、選手権出場と県予選敗退を繰り返す時期が続き、本大会に出場した年でも上位進出には至っていない。2025年大会では、県予選の準決勝・決勝をいずれも接戦で制し、全国への切符をつかんだ。全国制覇の経験を持つ広島皆実が、再び結果を残すためには、組織的な守備を土台に勝負どころで確実に得点を奪えるかが鍵となる。まずは久々の初戦突破を目標に、全国の舞台での戦いぶりに注目したい。

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名前:Nao
趣味:サッカー観戦、お酒、子供が所属するサッカークラブの応援
2023年からライターとしての活動を始めました。プライベートでは3人の男児の父親、個人ブログ「FootballAnalysis」を運営しています。サッカーがある日常、特に試合がある日の街の風景やスタジアム周辺の雰囲気が大好きです。多くの人にサッカーの楽しさを知って頂ける記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いします!

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