
高校2年生でプロ契約、姫野の魅力とは
姫野は今年10月、高校2年生ながらトップチームとプロ契約を交わした。小学生の頃から千葉のアカデミー(U-12、U-15、U-18)で育った生え抜きで、主戦場はMF。中央でもサイドでもプレーできる万能型のプレーヤーだ。
なかでも最大の魅力は、ボールを持った瞬間に積極的に仕掛けるドリブルにある。プレーイメージは日本代表MF三笘薫に近く、ワンプレーで観客を魅了する。姫野の打開で多くのチャンスを創出し、最終的にはアシストやゴールなどでチームの得点に数多く絡んでいた。さらに、利き足とは逆の左足から放たれるシュートやパスの精度が高い点も評価される理由のひとつだ。
代表歴も豊富で、U-15から毎年のように世代別日本代表に選出されており、先月カタールで開催されたU-17ワールドカップにも出場し、同世代ですでにプロ契約を結んでいるFW浅田大翔(横浜F・マリノス)やMF長南開史(柏レイソル)らと共に戦った。代表では主にサイドで起用され、狭いスペースでも独力で打開するなど、持ち前のドリブルが世界でも十分通用することを証明してみせた。これからはJリーグの舞台、そしてその先に広がる世界の舞台での飛躍が期待されている。

昇格を決めるジョーカーになれるか
12月13日、千葉はフクダ電子アリーナでリーグ4位の徳島ヴォルティスとJ1昇格を懸けて戦う。
年間順位で徳島を上回る千葉は、引き分けでも昇格が決まる状況にある。しかし、これまでのPOでは、下位チームが勝ち上がるケースも多く、決して油断できない一戦だ。
特に、徳島の総失点数「24」は今季リーグ最少で守備力は随一。先制を許せば、千葉に大きな重圧がのしかかるだろう。攻撃面でも14ゴールと得点ランキング3位のFWルーカス・バルセロスを中心に迫力ある攻撃を仕掛けてくる。7日の大宮戦では、千葉がゴール前で相手をフリーにしてしまうシーンも見受けられただけに、ボールへの寄せについては修正が求められそうだ。
PO決勝戦では、再び姫野の力が必要になる瞬間が必ずあるはずだ。姫野はDAZNのフラッシュインタビューで「あと1つ勝ってJ1(昇格)を決めたいと思います」と誓った。
再び大舞台で、17歳の新星がチームを勝利へ導くのか。12月13日、フクアリのピッチで歓喜の輪の中心に立つのは姫野誠かもしれない。
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