
2025明治安田J1リーグはシーズンも中盤を過ぎ、上位から下位まで徐々に勝ち点の差が広がり始めている。毎年この時期になると注目を集めるのが残留争いだ。特に20チーム制へ移行した2024シーズン以降は、例年より高い勝ち点を積み上げても降格の可能性があり、戦いは一層シビアになっている。
ここでは、過去のJ1残留争いのデータをもとに、残留ラインの勝ち点目安や現在の状況、さらに残留に必要な戦略を読み解いていく。

残留争いが熾烈化する背景と傾向
J1リーグは2024シーズンに18チーム制から20チーム制へと拡大し、各クラブが38試合を戦うことになった。リーグ戦の下位3クラブが自動降格となる厳しいレギュレーションのもと、残留争いは例年以上に激しさを増している。
その背景の一つが、初昇格クラブの戦力向上だ。2024年にはJ1初昇格の町田ゼルビアが第4節で首位に立ち、その後も優勝争いを演じて最終順位は3位と大健闘。続く2025年も同じく初昇格のファジアーノ岡山が開幕戦で初勝利を挙げ、その後も上位から中位を維持している。かつては初昇格クラブが降格候補と見なされることも多かったが、町田や岡山の結果が示すように、その構図は変わりつつある。

「勝ち点40ライン」は今も有効か?
これまで、J1残留の目安とされてきた勝ち点は「40」だった。では、この”40ライン”は今でも通用するのだろうか。
2019年から2023年までのJ1最終順位を見ると、16位の勝ち点は31~36の範囲に収まっており、多くが勝ち点40未満で残留を果たしている(2020年は新型コロナウイルスの影響によるレギュレーション変更で降格なし)。
ただし、これは「18チーム制」「全34試合」「自動降格2クラブ」(※2021年のみ暫定的に20チーム制・38試合)の場合の数字だ。本格的に20チーム制・38試合が導入された2024年は様相が一変。18位のジュビロ磐田が勝点38で降格し、17位の柏レイソルは勝点41で残留という結果になった。
つまり、チーム数と試合数の増加により「勝点40」は依然としてひとつの目安ではあるが、もはや安全圏とは言えなくなってきている。実力が拮抗し混戦となれば、勝点40以上でも降格するクラブが現れる可能性は十分にある。
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