
チームや選手のモチベーションにバラつき
しかしながら、1994年のFIFAワールドカップアメリカ大会にも言えることだが、今大会は選手の健康よりもビジネスが優先されたと言える。サッカーの巨大市場であるヨーロッパのゴールデンタイムに合わせて、アメリカの日中に試合が組まれた。今後は環境さえ整えば、空調の効いた屋内スタジアムで行うのが賢明だろう。
お膳立ては申し分ないが、選手の身体と気持ちが、なかなかついてこず温度差があった。本来であればオフシーズンの夏季開催。暑さで選手の動きが鈍くなった。チームや選手のコンディションやモチベーションには、バラつきがあったと言わざるを得ないだろう。
また、スタジアムによっては、ピッチの状態がヨーロッパとはかけ離れているという声が現場からは聞こえてきた。気温が高く選手たちは身体にムチを打ちながら走り回った。インファンティーノ会長は、アメリカの気温の高さは問題だと認めつつも、温暖化はサッカーだけではなくスポーツ界全体の課題だと主張した。
なお、リバプール監督時代に日本代表MF遠藤航を重用し、大宮アルディージャがグループ入りしたレッドブルのグローバルサッカー部門責任者を務めるユルゲン・クロップ氏は、32チームに拡大し4年に1度になった新クラブW杯に対して「サッカー史上最悪のアイデア」と6月28日に発言。否定的な立場を明確にしている。

浦和は最下位、J全体で対策が急務
日本から唯一の参加となった浦和レッズのサポーターの熱狂は世界に伝わっただろう。しかし、チームは惨敗。3戦全敗の勝点0・2得点9失点で、参加チームのなかで最も成績が悪かった。日本最大の予算と人気がある浦和だが、世界のクラブに対してまるで歯が立たなかった。
世界と戦えるようになってきている日本代表だが、Jクラブは旬の選手が欧州に移籍してしまい不利なのは明らかだ。日本人だけではなく世界の有力選手たちが、欧州に吸い寄せられていく。次いで巨額の資金で中東リーグ(特にサウジリーグ)、中国リーグ、MLS(アメリカ)が中堅の有力選手や引退が近いビッグネームを獲得している。
しかし、いくら選手を引き抜かれても、例えば南アメリカのクラブは健闘している。今大会は、アメリカ大陸での開催で移動が短く時差が少ないというアドバンテージがあったにせよ、南米クラブは、これまでもヨーロッパ勢と名勝負を演じてきた。
日本は、ほぼすべての都道府県にJクラブができ、地域に根ざすというJリーグの理念は実現しつつある。今後は、世界に太刀打ちできるクラブを作り出すという施策の強化も必要ではないだろうか。
世界の年俸水準は、日本とは桁が違ってきている。この際、芽が出てきた育成に大きく振るのはどうだろう。南米は、それでなんとか欧州に食らいつくだけの戦力を維持している。
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