
セレッソ大阪:後発だからこその新規ファン掘り起こしが奏功、スマートな魅力と温かい声援
6月1日:対清水エスパルス(ヨドコウ桜スタジアム/4-2)
翌日、大阪のもう1つのJ1クラブ、セレッソ大阪のホーム、ヨドコウ桜スタジアムへ向かった。対戦相手は清水エスパルス。前日のガンバ大阪とはまた異なる魅力を持つクラブの試合に期待が膨らむ。
ヨドコウ桜スタジアムは長居公園内に位置し、JR阪和線鶴ケ丘駅からは徒歩数分、大阪メトロ御堂筋線長居駅からもアクセスしやすい。パナソニックスタジアム吹田への道のりを考えると、このアクセスの良さは本当にありがたい。
スタジアムの規模はパナスタに比べるとコンパクトだが、特筆すべきはその臨場感だ。サッカー専用スタジアムならではのピッチとの近さ、そしてどの席からも死角なく試合を堪能できる設計は素晴らしい。選手たちの息遣いまで聞こえてきそうな距離感は、サッカー観戦の醍醐味を存分に味わわせてくれる。
C大阪のサポーターの雰囲気は、G大阪とはまた違った趣があった。まず感じたのは、女性サポーターの多さだ。華やかなユニフォーム姿の女性たちが、熱心に声援を送る姿が目立つ。応援のスタイルも、G大阪のような圧倒的な声量と威圧感というよりは、チームを温かく見守り一体となって後押しするような、どこか優しさを感じるものだった。ギスギスした雰囲気は全くなく、スタジアム全体が“楽しもう”というポジティブな空気に満ちている。
興味深かったのは、C大阪サポーターにG大阪の印象を尋ねた際の反応だ。「ガンバのサポーターは少しガラが悪いというか…」「ちょっと怖いイメージがありますね」といった声が少なからず聞かれた。これは、両クラブが歩んできた歴史的なライバル関係や、応援スタイルの違いからくるものだろう。どちらが良い悪いという話ではなく、それぞれのクラブが持つ独自のカラーが、サポーターの気質にも反映されているのだと感じた。
ヨドコウ桜スタジアムは、試合の見やすさ、アクセスの良さ、そして温かくも熱いサポーターの応援が融合した、非常に魅力的な空間だった。それは、昨年までC大阪に在籍していた清水MFカピシャーバが紹介された際に拍手で応えた一方、2022年6月、当時の小菊昭雄監督(現サガン鳥栖監督)とのイザコサをきっかけとした規律違反により退団に至った清水MF乾貴士に対しては、愛と皮肉を込めたブーイングで迎えたことからも分かる。
C大阪は、この試合を最後にオーストリア1部RBザルツブルクへ完全移籍するMF北野颯太を気持ち良く送り出そうと奮起。20,864人もの観客を飲み込み、北野のPK失敗、VARによる2度のゴール取り消しがありながらも清水を圧倒し、試合後は“フィエスタ”と化した。

結論:三者三様の輝き、大阪サッカー界の奥深さを知る旅
わずか2日間で巡った大阪の3つのJリーグクラブ。FC大阪の地域密着の温かさ、G大阪のビッグクラブならではの熱狂、そしてC大阪のスマートなスタジアムとサポーターの一体感。それぞれが全く異なる個性と魅力を放っており、大阪のサッカー文化の奥深さを改めて感じさせられた。
加えて、「大阪人は阪神タイガースにしか関心がない」と刷り込まれたイメージが、民放テレビ局などのオールドメディアによって拡散された間違った偏見だったことにも気付かされた。
FC大阪が見せる「身の丈に合った地道な歩み」は、Jリーグが目指すべき地域貢献の一つの理想形かもしれない。G大阪の圧倒的なスケールと熱量は、Jリーグを牽引する存在としての矜持を感じさせる。そしてC大阪は、アクセスの良さと専用スタジアムの魅力で、“セレ女”と呼ばれる女性ファンなど新たな客層を着実に開拓している。
どのクラブも、それぞれのやり方で地元に愛され、サッカーというスポーツを通じて人々に夢や感動を与えている。大阪という街がこれほど多様なサッカー文化を育んでいることに改めて驚きを感じた。もはや世界有数のサッカータウンと言えるだろう。この素晴らしい体験によって、また新たなスタジアムへと足を運びたくなる。そんな思いを強くした2日間だった。
もう1つ付け加えるとすれば、少し足を伸ばせば東には京都サンガがあり、西にはヴィッセル神戸がある。この2クラブもサッカー専用スタジアムをホームとおり、アクセス面も申し分ない。あまりにも観戦環境に恵まれすぎて、子ども時代から“専スタ慣れ”している関西の人々は、仮に上京してJリーグを見ようとするならば、陸上トラック付きや老朽化したスタジアムの多さに愕然とするのではないかと余計な心配をしてしまうほどだ。
偶然に日程が重なったことで実現したハシゴ観戦。首都圏同様、他の数多くの娯楽とも闘わなければならない中にあって、集客面でも大健闘していることが理解でき、さらに伸びしろも感じさせる、実り多い旅となった。
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