Jリーグ アビスパ福岡

アビスパ福岡がクラブ史上初のJ1首位!金監督が導く快進撃の理由とは【2025】

アビスパ福岡 写真:Getty Images

各クラブの激しい戦いが繰り広げられている2025明治安田J1リーグ。第10節を終え、消化試合数の違いこそあるものの、徐々に上位と下位の勝ち点に差が開きつつある。その中でも注目したいのが現在首位に立つアビスパ福岡だ。

開幕後3連敗を喫したものの、その後は3月1日の第4節ヴィッセル神戸戦を機にここまで公式戦9試合負けなしと好調を維持している。ここでは、クラブ史上初のJ1首位に立った福岡の好調要因を読み解いていく。


金明輝監督 写真:Getty Images

堅守アビスパから「能動的サッカー」へ

2024シーズンまでの福岡のサッカーは、堅守を武器に粘り強い守備から素早い攻撃で得点を奪うスタイルが特徴的だった。J1でも失点数の少なさは突出しており、昨シーズンの失点数はリーグで4番目に少ない「38」。守備面では前任の長谷部茂利監督がしっかりと土台を築いたと言えるだろう。

2025年、クラブは新たな指揮官として金明輝氏が就任。金監督は就任会見で「選手たちが主体的に、能動的にボールを前進させる。守備においても、強くアクションを強く目指していきたいと思っています」と語っていた。その言葉通り、チームはシーズン序盤から積極的にアクションを起こすサッカーを見せる。開幕直後こそ3連敗を喫するも単なる受動的な守りから一歩前進し、守備を攻撃の始まりと位置付ける新たなスタイルをチームに浸透させた。

これがまさに金監督の言う“能動的にボールを前進させる”サッカーなのではないだろうか。相手がボールを保持時している時にも能動的に動き、不利な状況を自ら打開し素早く攻撃に結びつける戦術は数字にも表れている。3月15日に行われた第6節のFC東京戦では計23本ものシュートを放ち、ボール支配率も相手を上回る53%と圧倒的に自分たちのペースで試合を運び1対0と完封勝利を挙げた。福岡が好調な要因の一つにはには金監督が目指す”能動的サッカー”がチームに定着してきた事が挙げられるだろう。


志知孝明 写真:Getty Images

走行距離はJ1トップ

金監督の目指す能動的に動くスタイルのサッカーには、常にボールを追いかける運動量が必要とされる。監督は選手たちにトレーニングでも常に全力を出し続けることを求めており、その結果相手にボールを持たれている被ポゼッション時の走行距離はJ1全クラブの中で東京ヴェルディ、セレッソ大阪と並ぶトップタイの数字だ。特にMF見木はチームトップの119.6kmという走行距離を記録しており、これはJ1リーグ全体でも8位となっている。相手にボールを持たれる時間が多くとも、チームとして組織的に守備を行い、機を見て素早い攻撃を仕掛けるスタイルの実現に必要なスタミナと運動量で相手を圧倒するプレーもまた福岡が好調の要因のひとつだろう。

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名前:Nao
趣味:サッカー観戦、お酒、子供が所属するサッカークラブの応援
2023年からライターとしての活動を始めました。プライベートでは3人の男児の父親、個人ブログ「FootballAnalysis」を運営しています。サッカーがある日常、特に試合がある日の街の風景やスタジアム周辺の雰囲気が大好きです。多くの人にサッカーの楽しさを知って頂ける記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いします!

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