
4月6日に光文社のニュースサイト『SmartFLASH』が報じた町田ゼルビア黒田剛監督のパワハラ疑惑。オーナー企業の株式会社サイバーエージェントの藤田晋社長がその日のうちに、X上で完全否定し、さらにクラブ公式サイトに、特別調査委員会による調査報告書の全文を公開した。
光文社から届いた質問状に対して「クラブとは利害関係のない特別調査委員会を設置」した上で、黒田監督以下、フットボールダイレクター原靖氏、パワハラ被害を訴える3氏に加え、17人のコーチ、スタッフへのヒアリングを基に調査報告書を作成したとしている。
しかしながら、これを利害関係のない“第三者委員会”の調査によるものと受け取るには少々無理がある。調査に当たった弁護士は山岡通浩弁護士をはじめとする「山岡総合法律事務所」所属の計3人によるもので、“完全なる第三者”とは言えないのではないか。
ここでは、町田側が取った対応の是非を問うとともに、親会社のサイバーエージェントの企業体質も絡めて検証していきたい。

Jリーグによる調査は
Jリーグは町田に調査と報告を求めているが、町田は報告書を提出していないことも明らかとなった。Jリーグにはパワハラに関する同様の情報が複数寄せられており、今後、Jリーグが町田関係者への事情聴取を含めた直接調査に着手する可能性がある。
この事実からも、Jリーグ側は町田側が行った調査について「“第三者”によるもの」という部分に疑義を感じているのではないのか。光文社に対して示した調査報告書において、証言している者のほとんどが町田に雇われている身であり「パワハラ行為がありました」などと口を滑らせてしまったら、自身の立場が危うくなることは自明の理だからだ。
日本サッカー協会(JFA)が設置している相談窓口にも複数の通報があったとし、Jリーグは具体的な証言としてパワハラの疑いがあると認識した上で、改めて町田側に調査と報告を要請している。
町田側は「確認が済んでいる」として幕引きを図ろうとしているが、Jリーグの調査次第では、新たな事実が明るみとなる可能性もあるだろう。
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