
今2024/25シーズンのプレミアリーグでは、第31節終了時点で首位に立つリバプールが2位のアーセナルに勝ち点差9を付け、優勝争いの面ではほぼ大勢が決した感がある。
一方で、欧州カップ戦出場権争いは、熾烈を極めている。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏上位4クラブ、UEFAヨーロッパリーグ(EL)出場圏上位5クラブ、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)出場圏上位6クラブとなる中、現在3位の古豪のノッティンガム・フォレストの頑張りが目立ち、9位につける日本代表MF三笘薫を擁するブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンまでが勝ち点10の中にひしめき合っている。同時キックオフで行われる最終節(5月26日)の試合終了のホイッスルを聞くまでこの混戦は続きそうだ。
そんな今シーズンのプレミアリーグに所属する20クラブで、ロンドンを本拠地としているクラブは7クラブ。全体の3分の1以上を占め、当然ながら毎週のように「ロンドンダービー」が行われている。ここではロンドンを本拠地とするクラブのみにフォーカスし、そのライバル関係や対戦成績を踏まえ、ロンドン最強クラブを示していきたい。

ロンドンを本拠地とするクラブ
何しろイングランドでは、5部まで入れると15ものクラブがロンドンを本拠地とし、それぞれが特定のクラブに対し因縁がある。ロンドンを本拠地とするクラブの一覧は以下の通り。
- アーセナル:プレミアリーグ(1部)
- トッテナム・ホットスパー:プレミアリーグ(1部)
- チェルシー:プレミアリーグ(1部)
- フラム:プレミアリーグ(1部)
- ブレントフォード:プレミアリーグ(1部)
- クリスタル・パレス:プレミアリーグ(1部)
- ウェストハム・ユナイテッド:プレミアリーグ(1部)
- ミルウォール:EFLチャンピオンシップ(2部)
- クイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR):EFLチャンピオンシップ(2部)
- ワトフォード:EFLチャンピオンシップ(2部)
- チャールトン・アスレティック:EFLリーグ(3部)
- レイトン・オリエント:EFLリーグ(3部)
- MKドンズ:EFLリーグ(4部)
- ウィールドストーンFC:ナショナルリーグ(5部)
- バーネットFC:ナショナルリーグ(5部)
現在プレミアリーグに属している7クラブでは、北ロンドンにアーセナル、トッテナム・ホットスパー、西ロンドンにチェルシー、フラム、ブレントフォード、東ロンドンにウェストハム・ユナイテッド、南ロンドンにクリスタル・パレスがある。
これらのクラブ全てにライバル関係があるわけではないのだが、世界最大のフットボールタウンでもあるロンドンのクラブ同士の一戦はサポーターも行き来しやすく盛り上がる。一方、クラブ間の得手不得手があり、それがリーグの順位にも影響してくるのだ。
例えば、2023シーズンに元横浜F・マリノス監督(2018-2021)のアンジェ・ポステコグルー氏を指揮官として招聘したトッテナムは、以降、チェルシーを相手にすると引き分けすらない5戦全敗。今シーズンは現時点14位と下位に沈んでいるトッテナムだが、5位でヨーロッパリーグ(EL)出場権を得た昨2023/24シーズンにおいても勝ち点を奪うことすら叶わなかった現実を見ると、「相性が悪い」という言葉しか浮かばない。

主要なロンドンダービー
ロンドンダービーで主要なものを挙げるとすれば、ノース・ロンドン・ダービーと呼ばれるアーセナルとトッテナムの対戦や、ビッグロンドン・ダービーと呼ばれるチェルシーとアーセナルの対戦が有名だ。
ノース・ロンドン・ダービーは、共に北ロンドンを本拠地とする両チームのライバル関係は100年以上の因縁の歴史があり、ロンドンに留まらずイングランド中でも最も熱いダービーマッチの1つ。それぞれのサポーターはお互いを憎んでおり、アーセナルファンの家に産まれた子どもは、父からの「トッテナムといえば?」の問いに対し、「クソだ!」と答える“英才教育”が施されるという。
ビッグロンドン・ダービーも有名だが、アーセナルとチェルシーのライバル関係は意外とそうでもない。21世紀以降、優勝争いを繰り広げてきたビッグクラブ同士ではあるが、フロントレベルでは友好関係にあるといってもいいほどだ。
実際、両クラブ間での選手の移籍も多く、元フランス代表FWオリビエ・ジルー、元チェコ代表GKペトル・チェフ、元イングランド代表DFアシュリー・コール、元ブラジル代表DFダビド・ルイスなどが両クラブでプレーしている。現在アーセナルで活躍するイタリア代表MFジョルジーニョも、2022/23シーズンの冬の移籍期間にチェルシーから移籍してきた。
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