その他 代表チーム

イロレーティングはFIFAランキングとどう違う?日本代表は14位

日本代表 写真:Getty Images

FIFA(国際サッカー連盟)は4月3日、最新のFIFAランキングを発表した。日本代表のポイントは0.15ポイント減の1652.64点だったが、順位は前回と変わらず15位で、アジア最上位をキープしている。

アルゼンチン代表が首位を守った一方で、スペイン代表が3位から2位に上昇。フランス代表が3位に落ち、4位のイングランド代表、5位のブラジル代表は、その座を守った。アジア勢では、イラン代表が18位、韓国代表が23位、オーストラリア代表が26位で、いずれも変動はなし。

韓国は、2026FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選で、いずれもホーム戦の第7節のオマーン代表戦、第8節のヨルダン代表戦で引き分けたことで、10.52ポイントがマイナスされ1585.45点となり、先んじてW杯本大会出場を決めた日本、イランとの差が広がってしまった。この結果、オマーンは17.24ポイントを加え80位から77位に、ヨルダンも13.24ポイントを加え64位から62位にランキングを上げた。

FIFAランキングは、W杯本大会のポッド分けに反映される。このままの順位で組み合わせ抽選会を迎えることになれば、日本とイランはポッド2に入ることになる。日本とすれば、現在のFIFAランキングを維持することが現実的な目標となるだろう。

そんなFIFAランキングとは別に、代表チームの強さをランク付けする指標がある。「イロレーティング(World Football Elo Ratings)」と呼ばれるもので、ハンガリー系アメリカ人の物理学者アルパド・エムリック・イロ氏が考案した計算式による。ここではイロレーティングとFIFAランキングの違いについて紹介する。


イロレーティングとは

イロレーティングは、元々はチェスのために作られ、チェスプレーヤーでもあったイロ氏が1960年にこの新しい計算式を開発した。米国チェス連盟で採用された後に、1970年に国際チェス連盟(FIDE)が正式に採用している。

この計算式が後にサッカーに応用された。FIFA非公認ながらも純粋にチームの実力が数値化され、そのチームの強さがより反映されていると評価されている。一部のファンや分析担当のアナリストは、FIFAランキングよりもこちらを重要視しているようだ。

FIFAランキングが重視する要素の大きさ順に「試合結果・その試合の重要度・対戦相手の強さ・大陸連盟間の強さ」から算出されているのに対し、イロレーティングは「勝利期待値・実際の結果・結果との差・“K値”と呼ばれる係数」によって求められる。

イロレーティングによれば、日本は現在FIFAランキングより1つ上の14位に位置。世界1位はFIFAランキングでは2位のスペインだ(2025年4月7日時点)。

  • 1:スペイン(FIFAランク2位)
  • 2:アルゼンチン(FIFAランク1位)
  • 3:フランス(FIFAランク3位)
  • 4:イングランド(FIFAランク4位)
  • 5:ブラジル(FIFAランク5位)
  • 6:ドイツ(FIFAランク10位)
  • 6:ポルトガル(FIFAランク7位)
  • 8:オランダ(FIFAランク6位)
  • 9:コロンビア(FIFAランク14位)
  • 10:ウルグアイ(FIFAランク13位)
  • 11:イタリア(FIFAランク9位)
  • 12:クロアチア(FIFAランク11位)
  • 13:エクアドル(FIFAランク24位)
  • 14:日本(FIFAランク15位)
  • 15:デンマーク(FIFAランク21位)

Previous
ページ 1 / 2

名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ、現在のお気に入りはシャビ・アロンソ率いるバイヤー・レバークーゼン

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

筆者記事一覧